DIARY
2017年8月
8月1日 賑やかな場所でかかり続ける音楽に 僕はずっと耳を傾けている
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FUJI ROCK FESTIVAL '17から帰ってきました。森の中で音楽浴びてきました。ライブレポートは後日!! っていうか去年のレポートもまだ書いてないんだ。
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酷く大雑把に、ロックのルーツにはジャズやブルーズやカントリーがあって、もっともっと前には世界の民族音楽があって、先にはクラブミュージックがあって、イケてればなんでも呼んじゃうのがフジロックだし、よければなんでも踊っちゃうのがフジロッカーだ。
「音楽って、魔法のような力を持ったものだと思う。聴き手にその現実を忘れさせ、そこから逃避させるんじゃなくてさ。だからこそ人々はこんなにも音楽に共感したり自己投影したりするんだよ (Wayne Coyne) 」。
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ベストアクトはWhite StageのZIMAのお姉さんの美しさと慎ましさに。特別賞は宿のバイトのお姉さんの純朴そうなルックスとおっぱいのギャップに。殿堂入りはField Of Heavenの東山食堂の人懐っこい看板娘に。おととしから仲良くなって、僕が行くとハイボール濃く作ってくれる。「寒そうやん」ってあったかいお酒作って奢ってくれたりする。思えば近年、握手会的なイベントを除いて僕の手をがっちり握ってくれる女子は東山食堂のお姉さんだけだ。
まじな話、体調に大きな不安を抱えてのFUJI ROCKだったんで、あの天候で観たいバンド殆ど観れて、いい音楽をいっぱい浴びて幸せでした。ぜんぶベストアクトです。いろんなライブやフェスを観てきて、FUJI ROCKっていうのは「音楽とは」「音楽の喜びとは」ってとこを突きつけてくる体験なんだ。
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FUJI ROCK嫉妬ツイートも毎年の風物詩だよな。そんなリア充イベントじゃないよ。僕が毎年行ってるくらいなんだから。むしろサバイバルだし、それを乗り越える音楽への愛があるかどうかだよ。スゲーもんをいっぱい観て、頭の中がごちゃごちゃだ。特に小沢健二さんについては、僕たちの世代にグサッと大きな痕跡を残したし、これからの僕も変えていくんだろうな。
と言いつつ5日間考えてたのは「猫に会いたい」。動物病院に預けてたんで、健康診断、血液検査、予防接種、オールクリア。太り気味だった体重も減ってきてる。ちゅーるを食い、いまもべったり甘えてる。この尋常でない甘えが尋常の甘えに戻る頃、また預けなければならないのだが。そう、明日kimbraを観て、5日から7日まであーた札幌ツアーに同行するんである。ああ荷造りだ。
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そのほかの近況。最近YouTubeを開くとポリデントのCMが流れる屈辱。菅俊一さんと伊藤ガビンさんのドラえもん論が面白い。「のび太はメディアリテラシーが高い」「クソビッチすぎるしずちゃんと、のび太さんのタフネス」。フランスのアングレーム国際漫画祭に日本館がない。フランスでは日本のマンガは非常に高く評価されてる。クールジャパン事業はこういうとこに金を注ぎ込めよ。一方で官製映画会社を設立して、何十億円もかけて1本の映画も撮影してない。
吉岡里帆さんは少し狂気をはらんだ可愛い路線で言ってほしかったけど、普通の色気路線に進んでてちょっと残念だ。老若男女がのんちゃんを愛して、最近始まったカウントダウンを気にかけてるのは、彼女の誠実さと実力の賜物だけど、ヤクザな興行界を変えようとしている勇気への賛美もあると思う。
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政治は相変わらず、よくぞこれで国家として成立してるなってレベル。オリンピックのために木材を徴収してやるからありがたく差し出せって令がでたけど、その前に関東一円の杉の木を切れよ。花粉症は林業政策の失敗による立派な公害だ。聖火の燃料に水素を使うからクリーンですって言ってる。水素の炎は透明で見えない。ってことは添加剤を使うわけでぜんぜんクリーンじゃない。オリンピックに国民を巻き込まないで欲しい。世界も巻き込まないであげたい。
月に大量の水があることがわかった。いつか月に住む人は、地球から水を持ってかなくても現地調達できるかも知れない。凪沙ちゃんが舞台「れでぃお・へっど」に出演する。万難を排して観に行く。素敵な話をしようよ。メントスのCM。子供が指示を出して、大人たちを仲良くさせる動画。これは観て欲しいなあ。
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あーたがついに、あのワンマンライブをブログにした。「いちばん幸せな夜のこと」。文字じゃ伝えられない最高の夜を文字にしてくれた。関わった全ての人、もちろんファンのみんなも本当に幸せでした。でもあーたはまだまだ伸びる!! スゲーもん観せてくれ!!
Esperanza Spaldingがニューアルバムの制作過程をネット配信する。Stereophonicsがニューアルバムをリリースする。Death Cab For CutieのBen Gibbardが "Bandwagonesque" を全曲カバーした。ここで聴ける。アフリカ最初のポピュラー音楽パームワインのコンピ、"Palmwine Music of Ghana" がリリースされる。Aphex TwinがFUJI ROCK限定カセットをリリースした。当然買えなかった。Kamasi WashingtonがEPをリリースする。そのサポートもしてるRyan Porterがソロデビューする。Asgeirが来日する。もちろん行く。
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小沢健二さんが新曲 "フクロウの声が聞こえる" をリリースする。FUJI ROCKで聴いたけど、"流動体について" より好きだしヒット性があると思う。絵童話 "アイスクリームが溶けてしまう前に" もリリースする。ラブリーサマーちゃんが今日リリースのEPから "FLY FLY FLY" を公開した。自分のリリースの直前に完全にプライベートでFUJI ROCKに来てたのだ、彼女は。
老眼になってCDのクレジットが読めないっていうのはあるあるなのだな。クレジットから、プロデューサーやミュージシャンやエンジニアを芋づるで辿って音楽を探してた世代としては。ところで言葉が届く歌=いい歌と思ってるわけじゃないけど、言葉が届く歌と届かない歌の違いってどこにあるのかな。歌唱法なのか作詞法なのか。
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「綱渡りで大事なのはぶれることなんだよ。振り子も同じ。人間の観念もそう。中庸っていうと、真ん中を静かに歩くみたいな、そういう動きのないものになっているけど、いくら安定を求めたって人は誰だって揺れてるんだよ。言ってることと起こってることは違ってるんだ (細野晴臣) 」。これ前も紹介したっけ。
8月9日 愛に産まれ、焦がれ、溺れ、愛を知る
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前回の日記でお知らせした通り、あーたの札幌ツアーを追いかけた。FUJI ROCKの翌週!! 自分の体調と体力を鑑みるに、よくぞ決意したぞと、でも両方行けて良かったと思える日々だった。まだ半分夢の中にいるような...。
出発前日に猫を預けて布団の中へ。眠れないの。にゃんこがいないと眠れないの。ぬいぐるみを抱く幼児かよ。あるいは遠足の前日の小学生だったかも知れない。荷物を引き摺って空港へ、予想通り搭乗手続きが難しすぎてできない。入力するお客様番号が9ケタあるのに僕6ケタしか持ってないんだよ。空港のお姉さんに手取り足取り教えて貰って、なるほどこっちはANAの、こっちは代理店のお客様番号なのだな。みんなよくこんな難しいことができるなと思うこと 1 携帯やプロバイダーの契約 2 Windowsパソコン 3 飛行機の搭乗手続き
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うわー飛行機だ!! 本物!! でかい!! 俺さ、実は世界を股にかける商社マンじゃん。搭乗手続きに戸惑ったり、空港で迷ったり、飛行機にテンションあがったりしねーから。余裕、余裕だから。きのう眠れなかったぶん飛行機の中で寝るから。
乗った。めちゃくちゃ楽しくて1時間半窓に貼りついてた。雲の写真100枚くらい撮った。SOSって書いてある島はなかった。着陸の動画を撮った (衝撃にビビってる様子が伺える) 。ところで、乗った飛行機がANAとAir Doの共同運航便っていうのだったんだよ。つまりANAの料金でAir Doの機体、Air Doのサービスを受けたわけだ。CAさんがみんな美人さんだったから良しとする。記念撮影してもらえばよかったな。ホテルはいい部屋 but 7日の10時から17時まで停電なのでご利用頂けません。マジか!! そんなことってあるの!?
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5日のライブ会場の最寄り駅まで行って、ぐるなびでお薦めの回転寿司屋へ。これがもう笑っちゃうくらい美味いの。お値段は都内とそんなに変わんないんだよ。たぶん人生で一番寿司皿を積んだ。魚介類は鮮度にはかなわない。東京では見ないネタもたくさんあって、もちろん美味かった。ビールが進む。サッポロクラシック。
この日はあーたのサポートをずっとやっているドラマーのふーみんこと河鰭文成さん主催のふーみんナイト@ESPホール。これだけの顔ぶれを揃えたのはさすがふーみんさんだ。音楽性は幅広く、でもそれぞれに素晴らしい演奏を聴かせてくれた。東京でもここまで充実したライブイベントはなかなかない。ただそこここで顔を出して出演者を紹介するふーみんさんのMCがダダ滑りで、僕はスベリ芸として笑ってた。そんな和やかなイベントだった。
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東京から新代田crossingの荻野哲平さんの紹介で登場したトミーさんは、飄々とした毒舌キャラ。ちょっとハスキーなハイトーンボイスで文系ロックを歌う。パワーワードを散りばめて、聴き手の中になかったイメージを喚起する力に心が揺れた。バンドのライブも観てみたい。ふーみんさんもメンバーのnoodloopは、強面のお兄さん4人組。ルックスにはビビったけど皆さん技巧派のミュージシャンで、シーケンサーも交えたカラフルな音創りが気持ちよかった。
荻野哲平さん。とにかく楽曲がいい。ロマンティスト爆発の甘いラブソングと、笑いに振ったMCとの間も活かしたトータルなショーとして非常に楽しかった。奥田民生感あったな。木純平さんは自称昭和歌謡。でも昭和歌謡が吸収したシャンソンやジャズやブルーズの要素が見え隠れして、いろんな音楽を聴いて消化してる方。
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あーたはトリ。いままでバンド編成ではキーボードが入ってたけど、この日はキーボードなし。あーたが札幌のお父さんと呼ぶ、堅実なプレイをするベーシストさんを招いて、G : あんでぃこと安藤力さん、Dr : ふーみんっていう編成。常に進化するあーた、この日も聴いたことのないライブだった。欠けたキーボードをあんでぃが補って、まるでギターバンドみたいだった。最近あーたがエレキをやってみたいと言ってた意味がわかった。あんでぃがああいうプレイをするなら、あーたのエレキを聴いてみたい。ふーみんも演奏しながら叫び声をあげる興奮ぶりで、もちろんあーた自身も相当にアツい。
終演後、すすきののライブバーへ。オールディーズの生演奏がかっこいい。ドラムスはふーみんだ!! あーたも歌いなよって声をかけられて、30分ものステージを聴かせてくれた。底力だな。
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6日は昼過ぎに宿を出て、ちょっといい鉄板焼屋に入った。牛肉が食いたかったの。これがまた笑っちゃうくらいに美味かった。そんで市電に乗ってみたかった。いろいろびっくりしたけどクーラーついてないのびっくりした。いらないんだよね、涼しいから。動画を撮ったら横向きになっちゃった。大通公園は、緑が豊かで静かでのんびりした空気が流れてた。ベンチに座る人々も、何をするでもなく。
またライブ会場の最寄り駅まで行って、ぐるなびでお薦めの海鮮居酒屋へ。これがまた美味いの。1時間前に絞めたとかそんなのばっかり。海鮮はぜんぶ間違いないとして、北海道で押さえておきたい食べ物が一通り美味かった。芋が好きなAzumiに自慢しようってジャガバター頼んだら、イクラと塩辛がついてきた。これ一緒に食べると昇天する。時間配分を誤ったな、ここで長居がしたかった。
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この日はあーたを姉と慕う岩佐亜由美ちゃんと、あーたの2マン。この日のために札幌行きを決心したくらい楽しみにしてた。
じゃんけんで先行はあーた。前日のバンド編成も素晴らしかったし、あんでぃ / ふーみんとのトリオもいつも素晴らしい。けどこの日は正直なところ、乗り切れなかった部分も少し。あーたのライブでそれを感じたのは初めてだ。聴き手の心に大きなエモーションを生み出す音楽っていう現象は、演奏者たちの細やかに行き渡った神経とコンビネーションの賜物。その繊細さを感じさせる出来事だったかな。あとごめんなさい、僕ちょっとうとうとしてた。音楽家は真摯で真剣で、受け手もちゃんと覚悟しなきゃいけないね。それでももちろんあーたのことだから、僕があーたに求める演奏 (ほかのミュージシャンに求めるよりかなり高い) を軽々と飛び越えるライブではあった。
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岩佐ちゃんはあいかわらず、人柄を感じさせるポップで聴きやすい楽曲 (恥ずかしがりながら出した新曲も良かった!!) を、札幌を流れる風みたいな軽やかに突き抜ける歌声と、確かなギターで聴かせてくれた。先恐ろしい。ラジオで岩佐ちゃんが「ダンスをやってた」って言ったの、その経験が彼女のリズム感の根底にあるなって感じた。
リハ中に決まったっていうふーみんのカホーンでのゲスト参加もばっちり。ほぼ初見であそこまで合わせちゃうのかよ。ただふーみんが盛りあがってシンバルを落としちゃって、笑いをこらえる岩佐ちゃんが可愛かった。そう、岩佐ちゃんに、KT Tunstallがライブで投げたピックを差しあげた。アンコールで "Suddenly I See" を歌って、「Thank you Tokyo!!」って叫んで投げたピック。拾った時に、これはKT Tunstallの大ファンの、岩佐ちゃんが持ってるべきだって思ったんだ。
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この日の夜は、あーたトリオとジンギスカン。バンドマンのサインが壁一面にある。いつかここにあーたのサインも並ぶのだろうか。これがまた美味かった。焼き色がついた半生状態で、もう柔らかく食べられる。4人で9人前、殆ど僕とふーみんで食べた気がする。
7日は例の停電の日。凄いことに気づいた。東京で観れなかった「羽海野チカの世界展」、全国を巡回していま札幌でやってるんだ。観に行った。わーなんて繊細な筆致かよ。カラー原稿の淡い色彩は印刷難しいだろうな。ホワイトをほっとんど使ってない。原稿に至るネームやストーリー作りの下描きの変遷も緻密を極める。練りあげてるなあ。羽海野マンガ好きは必見。感動したわ。さて何を食べようか。ベタながら、ラーメン横丁で一番並んでる店に入った。いわゆる札幌ラーメンのイメージと違うけど、これまた美味かった。
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そして札幌テレビ塔へ。BGMにBlossom Dearieがかかってて、涼やかな風によく似合ってた。ビールもつまみもいろいろ試した。もちろん美味い。でも一番びっくりしたのはメロンサワー。札幌のメロンサワーは緑じゃなくて黄色くて、ガチの夕張メロン果汁で割ってるんだ。これとキャベツのレモン塩を頼んで、甘いもの⇔しょっぱいものの無限ループ。雪印パーラーに入って、天皇皇后陛下が札幌に来るために2年かけて開発したアイスクリームを食べた。香りづけもない、卵も使ってない、牛乳の味そのものがふわっとアイスになって、これまた美味かった。僕が札幌に来るための海鮮丼とかも開発して欲しい。
テレビ塔で子供向けのバンジージャンプをやってて、眺めてて楽しい。飛べなかった子が何度目かのチャレンジで飛んだり、結局飛べなかったり。僕はとても無理。
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この日のライブは札幌UNION FIELD。対バンは...細野さんか大滝さんの言葉で、「日本人のミュージシャンは情念を吐露したいだけで本当に音楽を愛してる人は少ない、勉強不足だと思う」っていう状況だった。そのなかで、温州みかんさんって方には興味を持った。僕自身、いまは表現活動をしていないんで、たとえ稚拙であっても行動に移してる方には絶対のリスペクトがあるよ。
この日のあーたトリオはリハを重ねたそうで、前日と打って変わって素晴らしい演奏だった。アレンジも変わったけどやっぱりコンビネーション。楽しく乗り切れた。最後の "Iにうまれて" が特にしみた。あーたは唯一のMCで、札幌への愛と感謝を伝えた。リズム楽器が入った "Iにうまれて" は初めて聴いたかもしれない。愛に産まれ、焦がれ、溺れ、愛を知る。胸がぐしゃぐしゃになった。
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最終日は帰るだけ。飛行機の搭乗手続きは余裕。ただ台風の影響と空港の工事で手荷物を預ける列が大混雑で、そもそもその列で合ってるのか書いてないし係員さんもいない。チェキ列のシステムを導入するべき。帰りの飛行機はぐっすり。先週のFUJI ROCKと、2週連続で預けちゃった猫に詫びて、いまびったりくっついて甘えてる。東京暑い。今日は37℃まであがって、それって百葉箱の温度だからね、アスファルトの上は熱めのお風呂くらい。札幌は22℃。
札幌はいい街だ。コンパクトで住みやすそう。食べ物が美味しい。夏でも涼しい。冬は辛いかもだけど、移住したいくらいには気に入った。食って飲んで食って飲んで、もう食べきれないブー。めちゃくちゃ楽しかった。お世話になりました。遠からずまた行くと思う。11月に、ふーみんナイトと岩佐ちゃんのワンマンが続くんだって。
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話は前後するけど2日にKimbra@ビルボードライブ東京に行った。周りのお客さん可愛い女の子ばっかり。僕の趣味は可愛い何かしらなんだよ。ただ残念なことに、僕自身の存在がキモいのだよ。
ライブよかった。もっとあっけらかんとした女の子のイメージを持ってて、MCや仕草はそうだったかもしれないけど、歌い出すと大人の気配が漂って、官能的ですらあった。ロリータボイスを張りあげるところはBjork的でもあったな。喩えるなら80年代の4ADレーベルの美意識に憧れて、でも10年代後半のセンスが隠せないような。ポップとアヴァンギャルドの融合が見事だった。それは演出についてもそうで、透明感を強調したVJと照明も素晴らしかった。編成はキーボード3人、1人が時にノイジーなギターを、1人が時に無機質なベースを弾く。トータルでショーとして完成度が高かった。
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夏になると戦争の話題が増える。加藤賢崇さんのお母様の広島での被爆体験手記。「ジョン・コルトレーンと長崎」って動画。「長崎駅に到着したコルトレーンは『原爆落下中心地に行きたい』と、平和公園へ向かった」。政府に堂々と訴え出た長崎市長のスピーチが力強い。長崎平和宣言に賛同する方は署名を。いわゆる「戦争体験」を捏造だっていう人々がいることにびっくりした。戦争が残酷で悲惨なことだと困る人たちがいるってことだ。
またこいつかの秋元康、"月曜日の朝、スカートを切られた" って曲を書いたらしい。実際にスカートを切られる被害にあった学生さんが、これ以上被害者を傷つけないように署名運動を始めた。16世紀から19世紀までメキシコ湾の地図に書かれていた幻の島の話。石油利権を巡ってCIAが破壊したって陰謀説もあって面白い。
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Glen Campbellが亡くなった。カントリーのレジェンドじゃない、アメリカのポピュラーミュージックを幅広く歌いこなしたシンガーでギタリストだ。Beach Boysファンなら知ってる、Brian Wilsonがツアーから抜けた時、ギター・コーラスとして半年間メンバーだった。そのお礼にBrianがプレゼントしたのがかの "Guess I'm Dumb" 。
彼が成功をおさめるのはその数年後で、"By The Time I Get To Phoenix" あたりが大ヒット曲って言えるだろう。特にJimmy Webbの曲を歌いこなした。ベスト盤がたくさん出てて、Jimmy Webbの曲を集めたコンピも多い。お薦めのアルバムは "Reunion : Songs of Jimmy Webb" 、そして大ヒットアルバム "Wichita Lineman" 。アルツハイマーを患って引退を宣言してて、つい2ヶ月前に引退アルバム "Adios" をリリースしたばっかりだった。
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音楽ニュースありすぎるんでざざっと!!
Bjorkが、ニューアルバムがすぐにリリースされるってツイートした。Stewart CopelandやAdrian BelewのバンドGizmodromeの新曲がきのうは聴けてかっこよかったのにいま聴けない。Kevin Godleyがソロアルバムを作るために共作者を募集してる。Neil Youngの幻のアルバム "Hitchhiker" がリリースされる。David Crosbyの新曲 "Sell Me a Diamond" 。Kele Okerekeの新曲 "Grounds for Resentment feat. Olly Alexander" 。Four Tetの新曲 "Planet" 。Iggy PopをThe Prodigyがリミックスした。Yumi Zoumaのニューアルバムが出る。Kris Berryの新曲 "Hold On" 。LO'JOのニューアルバムが出る。ClarkがFUJI ROCKのライブ映像を公開した。Velvet Undergroundのドキュメンタリー映画が作られる。John Caleが来日する。15人のミュージシャンによる、「私の人生を変えたBrian Enoのレコード」。Michel Legrandの観光シリーズが "ミシェル・ルグラン世界音楽旅行" としてボックスセットになる。Pete Townshend「戦わず、理解しようとし、座り込み、観察し、状況にユーモアを見出すRay Daviesの人生観に、アメリカ人が何の関係があっただろう」。
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のんちゃんがレーベルを立ち上げて音楽活動を始める。もうWORLD HAPPINESS 2017でコトリンゴさんと高橋幸宏さんと共演、"タイムマシンにおねがい (サディスティックミカバンドのカバー) " "I Like You (RCサクセションのカバー) " をリリースした。で、EP化もされる。花とポップスレーベルのNakanoまるちゃんがPVを作るクラウドファンディングを始めた。僕にはまだとても計り知れないなにかを持っている娘です。Pikacyu-Makotoがニューアルバムをリリースする。矢野顕子さんが7年ぶりに弾き語りアルバムをリリースする。鈴木博文さんの "Wan-Gan King" 再現ライブでカーネーションが14年ぶりに5人揃う。木戸やすひろさんが39年ぶりにアルバムをリリースする。セッションミュージシャンとして有名だけど、39年前のアルバムは素晴らしくてDJでかけたらウケた。瀬川千鶴さんのギターの特殊奏法がすごすぎる。
全客室にアナログプレーヤーを設置したホテルが大阪にできる。レコードのレンタルや販売もする。大貫妙子さんの "Sunshower" のアナログを買うためだけに日本に来たアメリカのマニアがテレビで話題になった。さとうもかちゃんがバイト中にかかってきた電話に反射的に「ミニモニテレフォンだりんりんりん」って出た。天才の行動は予想がつかないな...。ああもう、長文御免!!
8月14日 花とポップス、あるいは愛と音楽のこと
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FUJI ROCKからの疲れと、春からの睡眠障害の中でぼんやりしてる。どこに行くにも猫たちがぴったりくっついてくるんで昼寝できない。彼らも老いて寝てる時間が増えてきた。たまにじゃれあってる姿に和まされる (いまがそうだ) 。うちの猫たちは人が好き過ぎるし甘えすぎる。人類が滅亡したら犬は生き延びられないんだって。もう野生に戻れない。うちの猫たちもそうだろうな。
前回のあーた札幌ツアー日記は、10時間くらいかけて書いた。殆どは文章を削る作業だった。書きたいことがありすぎて。愛だね。札幌への愛だし音楽への愛だしあーたへの愛だ。長い割に読みやすいんでぜひ読んでください。私の10時間の勤労をだね。で、今日の日記も長い。12日に花ポFES 2017 -ハイツだよ! 全員集合- ってライブイベントに行ってきた。その感想を中心に書きます。
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花ポFESは花とポップスレーベルのお祭りだ。花とポップスレーベルはつるうちはなちゃんが主催する、「タフな乙女のアパートメント」。このタフな乙女っていうのがポイントで、セミプロ女性SSWとそのファンの緩いコミュニティがあるよね。あれとはだいぶ違って、芯の強さと賢さを持ったミュージシャンが集まってる。そんで何で食ってるかは知らないけど、音楽のクオリティ的には完全にプロフェッショナル。演ってる音楽はバラバラながら、そこはもう通底してる。その芯の強さと賢さと音楽性に、僕は強く惹かれて追いかけてる。
これはもう社長のはなちゃんの人望と眼力だよね。はなちゃん僕より1回り年下なんだけど、すごく尊敬してるんだ。もちろん所属ミュージシャンのみなさんも尊敬してる。こういう人たちが楽しく生きて、音楽を奏でられる世の中がいい。
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タイムラインを見ると、おめあてのミュージシャンだけ観て移動するよって方が多かった。僕は、企画者がブッキングした時点でライブは始まってると思うんで、花ポイベントに限らず観に行くライブは最初から最後まで観る。それを人には強要はしないよ。で、実際フタを開けてみたらお客さんは圧倒的に男性が多い。この男女比のバランスが良くなった時に、花ポは次のステージに進む。
連休の原宿は大変な混雑。裏道から原宿ストロボカフェへ。受付がはなちゃん一家。和むー。さっそくビール。トリだしMCだしビール飲まないって言ってたはなちゃんも結局飲んでて笑った。オープニングのMCっていうか乾杯!! 飲まなきゃやってらんない。みんなにビールを奢ろうと思ったら、もう先に先に奢ってる方がいらした。さすが花ポッパー、わかってる。トップバッターはあーた。
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あーたはVo. Ag. サポートはいつもの Ag : あんでぃこと安藤力さん。あんまり主張せず、ツボにいいフレーズを持ってくる。あーたはホームでリラックスしてる。最近のライブを凝縮したようなセットリスト、"You" "キャット・ストリート" "スノードーム" "pinhole" を歌い上げた。ソウルフルな "pinhole" では「みんな歌えー!!」。
続くイナダミホさんはゆったりとキーボードの前に座って、だんだんとジャズにポップに、ドラムスとのデュオが大成功の賑やかなステージ。オガワマユさんはアカペラからキーボードの前へ、やっぱりドラムスと、変拍子も決まった熱量のあるライブ。青柳舞さんは産休明け、「おかえり」の拍手のなか優雅にキーボードを弾く。サポートのカホーンが気持ちいい。Chakiさんは元SDN48。ステージ慣れしてる。はなちゃんの曲を中心に、ポップに攻める。
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ここで。なんとエレクトリックリボンの登場。僕はそもそもエリボンの "アイライン" (あーた作) と "STAR TEAR" (はなちゃん作) のシングルにノックアウトされて花ポに興味を持ったんで、エリボンが繋いでくれた縁だ。花ポ楽曲おおめで歌い踊る。客席の輪の真ん中にあーたがいて、リフトされたりオタ芸したり、一番楽しそう。僕でも恥ずかしくていまだにオタ芸できないのに!!
次は先日拝見したベース弾き語りサトウトモミさんだったんだけど、エリボンの物販のためにいったん会場の外に出た。ごめんなさい。みんなとチェキを撮ってお喋りして、新曲 "Fun! Fun! Fun!"とグッズを買った。で、余計なお世話ながらメンバー全員とマネージャーI川さんに、あーたの傑作EP "HAPPY TAPES (後述) " を差しあげた。またエリボンがあーた曲を歌ってくれるといいなって。
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会場に戻ると次のayumi melodyさん。トレードマークとも言える綺麗な照明のステージで、優しく日本人離れしたピアノポップスを歌ってた。でだ。椅子があいてたのだよね。7時間のスタンディングイベントは体力的に自信がなかった。座ったら寝込んでしまった。実は前の夜、眠れなかったんだ。睡眠障害がここに来た。
ヒナタとアシュリー、あヴぁんだんど、Nakanoまるちゃん、はなちゃん、ごめんなさい、寝てました。さっき書いたことと矛盾してるね。僕が寝てたことについて、あるファンの方からちくりと嫌味を言われてしまった。この方には前にも嫌味を言われたことがある。ザ・健康って方で...睡眠障害なんて言っても通じないだろう。ああ、非常に残念なことに、あーたのファンの中に苦手な方が2人いるのだよ。もちろんいつかは仲良くしたいと思ってる。
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重大発表5つ。元Folder5のAKINAさんが、イナダミホさんプロデュースでアルバムをリリースする。ヒナタとアシュリーが花とポップスに加入する。Nakanoまるちゃんが11月8日に初のフルアルバムをリリースする。前にも書いたけど、NakanoまるちゃんはMVを作るべくクラウドファンディングをしてる。試聴して気に入ったらぜひ!!
花とポップスが、CAMPFIREにてファンクラブを始動する。その意図や想いははなちゃんの説明を。そして、Web Shopが今日オープンする。ファンクラブの支払いはVISA、masterカード、auWALET、ソフトバンクカード。ソフトバンクカードがプリペイド式だって知らなくて、お手数をおかけしてしまった。既に楽しいことがたくさん起きてる。猫ばっかりだった僕のInstagramのタイムラインが、花とポップスのミュージシャンでいっぱいになった。
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Web Shopでは、いままで会場限定販売だったあーたの新EP "HAPPY TAPES" も買える。「可愛い」から「ソウルフル」に舵を切り始めた天才SSWあーたと、吉村かおりさんの "新未来" などで圧倒的なアレンジ・プロデュース力を見せた坪光成樹さんのセンスが、魔法を起こした傑作だ。驚きをもって迎えられた "スノードーム" はもちろん、"キャット・ストリート" も "Puppy Love" も、ライブの楽しさを更に押し広げた名演だ。
曲の本質を掴んだアレンジ、あーたの最高の歌声、はなちゃんのキーボード、ふーみんこと河鰭文成さんのドラムス。ギターもベースも手掛けた坪光さん。もう1人、この作品を特別にしているのは音の質感だと思う、エンジニアの間瀬哲史さん。今あーたを1枚聴くならこれ。将来は果てしない成長が約束されてる。
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余談だけど、吉村かおりさんがお客さんとしていらしてて、声をかけてくださった。この傑作をプロデュースした坪光さんが、僕の差しあげたMix CDを気に入って、曲やミュージシャンをググって調べてまでしてくださってるという。吉村さんのライブで坪光さんのプレイを聴いて天才だと思ったし、"新未来" や "HAPPY TAPES" を聴いてそれは確信に変わって、こんなにも光栄なことはない。
あのCD、響く方と響かない方がいる。いままで誉めてくださったのは細野晴臣さん、ラブリーサマーちゃん。ラブサマちゃんのツイキャスに書き込みをしたら「スキルさん!!」って驚いて、彼女のCDラックを映してくれたんだ。あいうえお順で「山下達郎」の隣に「山下スキル」のコーナーがあった。選曲っていうのは僕に残された数少ない才能だと思う。いま精神的にできてないのが辛い。
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その前後のことを。一時期ぎくしゃくしてた素敵女子の訪問看護師さんと、最近また楽しくお喋りできてる。彼女も音楽好きでマンガ好きなんで、そんな話を和やかに。
9日の夜はN氏が桃と葡萄を持って遊びに来てくれた。ウォンバットは人懐っこくて、構わないといじけたり寂しがったりする生き物らしい。おじさんも構わないといじけたり寂しがったりする生き物だよ。できれば女の子に構って欲しいけど、年齢的にも外見的にも会話力的にも無理なんで、N氏が来てくれるのは最後の砦だ。10日はceroのライブイベントに行くつもりだったけど、体が動かなくてチケットを無駄にした。岡村靖幸さんなんかも出演する豪華なイベントだった。そのぶん花ポFESに体力を温存して...結局寝落ちた。でも一時期の完全な引きこもり状態から比べればだいぶよくなった。
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「うつヌケ」ってマンガが話題になってる。鬱を脱した例をたくさん紹介してる。僕は作者の田中圭一先生のファンだし、自分が長い長い鬱病患者なんで、もちろんすぐに買ったけどまだページを開けないでいる。鬱を患うと、本を読むのもすごくハードルが高いんだ。「慢性的な睡眠不足によって、脳は『自己破壊』する」って記事があった。僕の睡眠障害もそうだろうか。
なんらかの理由でお蔵入りになってた原発投下後の長崎・広島の写真。観たい展覧会がいっぱいある。奈良美智さんの「for better or worse」。このサイトでイメージをクリックすると幾つかの展示風景が観れる。隈研吾さんとオランダ生まれの和紙職人のコラボ展。種子島宇宙芸術祭。テオ・ヤンセン展「人工生命体、上陸」現代芸術論専攻としては、どれも観ておきたいけど...遠いな。
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スッパマイクロパンチョップさん「過去歩んできた長い道のりのすべてがその時作曲・演奏している瞬間に結実する。1人の人が産み出す曲の全て合わせて1曲であるかもしれないし、鼻歌や星の天行を音符とした全宇宙の過去と未来に在り得た音楽が一つの交響曲であるかもしれない。インスピレーションはその既存のどこかと共振してるのかも」。
「なんでも『ジャズだねぇ』と言う人は自由で力強い精神性をそう評す訳で、その人にとってはジャズというワードがそれを象徴してる。『ロックだねぇ』『パンクだねぇ』『ハードコアだねぇ』『テクノだねぇ』『ニューウェーブだねぇ』でも意味は同じ。たぶん『モジュラーだねぇ』でもイケるね」。「モジュラーだねぇ」積極的に使いたい。スッパマイクロパンチョップさんは面白い。彼を取り巻くシーンも面白い。ライブに遊びに行って仲良くなりたいな。
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SoundCloudが185億円の投資を確保した。これからも続けられそう。googleがヒップホップ44周年の記念してトップページをターンテーブルにした。素晴らしい。SPレコード3万枚ぶんのデジタルアーカイブThe Great 78 Projectが無料公開された。
Beckが10月にニューアルバムをリリースする。コンゴのミュージシャンTeme Tanのデビューアルバムから "Xa Va Pas La Tete?" 。BABYMETALの "ギミチョコ!!" を1920年代スタイルでカバー。Fatboy Slimの新曲 "Boom F**King Boom" いまこんな感じなんだ。好き。今年復活したOrbitalの "Copenhagen" 。Laetitia Sadierのお気に入りのアルバム12枚。うーんわかる。
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BoredomsのYOSHIMIO + シタール奏者YOSHIDADAIKITI + SOIL&"PIMP"SESSIONSの秋田ゴールドマン + ガムラン/パーカッション奏者濱元智行のユニット、SAICOBABのデビュー作がSpotifyで聴ける。高野寛さんがミニアルバムをリリースする。
タモリさんがヒップホップ黎明期にCold Crush Brothersと共演した動画。タモさんは圧倒的に音楽の人だ。ミュージックステーションに出てるくだらないバンドをどう思ってるんだろうか。
8月18日 雨やみそうにない
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空梅雨だった東京は、8月に入って連続降雨の記録を作ってるらしい。猫がiPhoneの上であったまるくらいには涼しい日々。猫をどかして探す。アラームが聞こえないこともある。でも人生の殆どを動物と暮らして、いまだにかわいいなあってびっくりするよ。
この数日もいろんなことがあった。平穏な日々を過ごしたい。たくさんの芸術をインプットしてアウトプットして、自分を成長させる時間を持ちたい。っていう思いだけは持ち続けてても、気がつくと日常の瑣末なことに追われて45歳になってたりする。スッパマイクロパンチョップさん。「たかだか何かを選ぶことだけとっても、それが選べるような自分になるまで47年かかった。というようなことばかりだから歳をとるのはとてもイイ、これからどんどんウハウハだ、という気分だぞ」。この心境にたどり着きたい。
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FUJI ROCK以降いいライブ鑑賞を聴けてたんだけど、きのうは酷かった。観に行ったのはずみをさん。ずみをさんは面白かった。困ったのは対バンだ。あんなブッキングだと知ってたら、ずみをさんだけ聴いて家に帰って猫と遊んでたよ。
今年になって音楽活動を始めたずみをさんのライブは、まだまだ稚拙だ。だけど彼女の音楽には、アイデアがあり、ユーモアがあり、オリジナリティがある。ソングライティングのセンスと声が好きだ。例え歌詞の内容が暗く悲しいものでも、鋭く尖ったものでも、ポップスの本質はユーモアだと思ってる。はっぴいえんどの「風俗低俗風来坊」ってフレーズが、"Who's Afraid of Big Bad Wolf" のもじりであるような。そういう志で作られた音は錆びない。彼女の耳がもっともっと肥えていったら。個性を引き出してくれるいい大人に出会うといい。
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きのうのライブイベントで、わくわくさせてくれるミュージシャンはずみをさんしかいなかった。情念の圧が!! 表現じゃなくて情念の圧が!! せっかく楽器ができるのに、なんであんなにつまんない音楽をやるんだろう。かつて「ニューミュージック」と呼ばれた、アメリカの'70s SSWムーブメントの上辺だけなぞって、貧乏臭く演出したり根拠もなく励ましたりするような音楽を、2017年にやってた。音楽を愛してないし聴いてないんだろうな。もどかしいよ。
リスナーの側にも、音楽を愛してるんじゃなくて、女性SSWをアイドル視して追いかけてる人々がいる。芸人あがりで女性SSWばっかりのイベントを組んでる人がいる。僕はそういうの気持ち悪いと思う。いつぞやアイドルあがりのSSWの刺傷事件もあったね。ずみをさんがそのムラにはまらないことを願う。音楽を楽しもう、音楽を。
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前の日記に、坪光成樹さんが僕の作ったMix CDを気に入ってくれたって書いた。自慢である。それを読んだつるうちはなちゃんが、こんなことを書いてくれた。
「山下スキルさんのセレクション、本当にすばらしいの。今朝は空気が重いから『air-conditioner』というタイトルのCDを流したらね、ほんとに、私にとっては、心の芯から気持ちが軽くなるようなラインナップなの。本当に音楽を愛してる人じゃなきゃ、こんなオムニバスは作れないと思った」。なんつー光栄なことかよ。これもまた自慢である。でも "air-conditioner" は15年前に作ったんだ。いま配ってるMix CDはほとんど10年以上前のもの。病状が悪化して、家で集中して音楽を聴けなくなっちゃった。自分で選び取って自分が楽しめる、自己紹介代わりにもなるMix CDを作れる体調に戻したい。
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ここ最近は体重がすごく落ちてる。元の体重が...ってこともあるけど、痩せやすい体質に変わりつつある感覚がある。ここでウォーキングでもしたいのに連日の雨!! でも痩せてイケメンになるぜ!! いまの僕はキモい。キモいと何を言っても説得力がない。
って話と矛盾するけどさ、定期検診で新しい病気が2つ見つかった。生活習慣で改善できるやつ。もういくつ病気を持ってるのか、自分でもわからなくなってきた。朝の薬が多いんで、朝は薬だけでお腹いっぱいになる。病院のカードが増えすぎて、PASMOが反応しなくなった。もうひとつパスカード買うか...。太ってるのも汗をかくのも、「3月のライオン」の二階堂みたいなもんだったのかな。定期検診を受けたのが我ながら体調の悪い時期で、それから数ヶ月たって今の数値はもう少しましなんじゃないかっていう甘い憶測もある。
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終戦の日をまたいで、いくつかのテキストを読んだ。「『日本が失敗するパターン』とは 歴史家・磯田道史さんと近現代史をひも解く」。これはイデオロギー関係ない純粋な歴史の話だから、誰でも興味深く読めると思う。「元SEALDs 諏訪原健『僕が頭をガツンと殴られた戦争論』」。「『たくさんの人々の尊い犠牲の上に、今の平和がある』、そんな言葉をよく耳にします。私も当たり前のように使っていました。しかし、その『当たり前』の言葉は、『戦争』を理解し、現在との繋がりを考えることを阻んでいるのではないでしょうか」。寺尾紗穂さん「『小さな声』は庶民の『狭い経験』?」。
アメリカでは、白人至上主義者と反対派の衝突事件を受けて、オバマ氏の発言に史上最多のファボがついた。「肌の色や出自、信仰を理由に生まれながらに他人を憎む人はいない」。
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エミール・クストリッツァ監督の「アンダーグラウンド」完全版 (5時間14分) が日本初公開だって。大変だ!! 人生で一番衝撃を受けた映画のひとつだ。とんでもない怪作で傑作。バルカン音楽にのめり込むきっかけでもあったな。
レアンドロ・エルリッヒ展。ロートレックとアートになった版画・ポスター展。安藤忠雄展 -挑戦-。サンシャワー : 東南アジアの現代美術展1980年代から現在まで。キース・ヘリングと日本。ベルギー 奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで。ほんと展覧会行ってないな。体力が持たないんだ。もどかしい。長時間露光による見事な写真。これはおうちで観れる。
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Four Tetが文字化けする名義で文字化けするタイトルの新曲を発表した。ふざけてんのか。Spotifyで聴ける。Tribalistasが復活する。新曲 "Diaspora" 。Stewart CopelandやAdrian BelewのバンドGizmodromeのミニドキュメンタリー。Chvrches、Ben Folds、Bon Iver、Tame Impala、Mumford and Sonsなんかが参加したカバーコンピが出る。Dirty ProjectorsがRemix EPを出す。Lou Reed and Kris Kristoffersonのライブ盤が出る。Sir George Martinが監修したレコーディングに関するドキュメンタリーDVDが出る。Massive Attackが来日する。Beach Boys "You Still Believe In Me" のハーモニーをビジュアル化した動画。
前から何度も書いてるけど、NakanoまるちゃんがMVを作るクラウドファンディングに挑戦してる。Buffalo Daughterのセッションシリーズの新作。日本のアイドルグループ9nineがサマソニでTrever Hornバンドとセッションする。
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非リア充ほど夜型になりやすいって記事を見た。その言い方はともかく、内容はものすごーくわかる。つまり、その日に満足してないから、その日を生きた証を残したい気持ちがある。深夜に日記を書くのもそう。本を読んだり音楽を聴くのもそう。
8月21日 10円玉見つけてラッキーと思ったけどここ俺んちだ -音楽とお金のこと-
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18日はCHAI@下北沢Basement Barへ。タイムラインで聴いてかっこいいなって思ったのと、ある意味で露悪趣味的でもあるファッションセンスにただものじゃない感を抱いて。東京で初めてのワンマンだって。集まってくるお客さんは若い女の子ばっかり。勢いのあるバンドって感じの客層だ。Basement Barはあっという間にぎゅうぎゅう詰めになっちゃった。
客入れの音楽がTom Tom Clubだったんで笑いそうになった。けどこのチョイスには意味があった!! O.A.がCHAIのリズム隊のラップユニットだったんだ (Talking Headsのリズム隊のラップユニットがTom Tom Club) 。幕が落ちて本編が始まった。かっこいい!! サウンドもショーアップされたステージも、ファンク期のTalking Headsだった。音源では気づかなかったけど、僕が反応したのはそこだな。
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演奏力も楽曲もサイコーで一発でファンになった。日本で普通にポップスを聴いてると、Aメロ・Bメロ・サビみたいな曲をどうしても作っちゃう。僕もそうだ。CHAIの楽曲はそんな定石を破って、もっと黒いファンクミュージックみたいに、リフだけで成立してたり、構成のアイデアが抜群に面白かった。10月にフルアルバムが出て、11月に渋谷WWWでワンマンだって。行っちゃおうかな。
こういうバンドにドカンと売れて欲しい。同じ日にスカートのメジャーデビューが発表されて、ceroやShiggy Jr.やラブサマちゃんは大ブレーク寸前じゃんか、あーたや辻林美穂さんも勢いがついてきた。日本で普通に聴けるポップスのクオリティがあがって面白くなりそうな予感がした。いまヒットしてる曲ほんとにつまんないでしょ。ご機嫌で帰宅したら虫の声が完全に秋モードだな。
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20日は岩佐亜由美@井荻チャイナスクエアへ。岩佐ちゃんは札幌で活動してるシンガーソングライター。最初の東京のライブに感動して、こないだの札幌ツアーでもあーたとの2マン素晴らしかった。西武線は未知の領域なんでいつもドキドキ。向かいの綺麗なお姉さん、Tシャツにでっかく「ケミカルテクノ」って書いてあるの好感持てる。
井荻チャイナスクエアは中華料理屋さんで食事も美味しい。ライブはもちろん素晴らしかった。まっすぐに伸びていく素直な歌声と確かなギター、人柄が伺える優しい楽曲。でも本人は小学生の時に自分の声を聴いて、もうマイクの前に立たないって決めたんだって。それから音楽への思いをダンスに移して、でも周りの薦めで歌い始めた。確かなギターは10年間のダンスで培ったリズム感の賜物で、迷走しているように見える彼女の音楽の道はまっすぐだ。
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チャイナスクエアにはステージの後ろに星柄のカーテンがあって、岩佐ちゃんが「星空」って歌った時に個人的にウワァァっていう高揚があったり。ライブ中、僕にっこにこしてたと思う。でも岩佐ちゃんの笑顔の方が1兆倍素敵だ。11月に札幌でワンマンライブがあって、その前日に河鰭文成さんの「ふーみんナイト」がある。凍てつく札幌に、また行っちゃおうかってくらいの意気込み。
共演者の中に2組、曲に振付がある方がいて、岩佐ちゃんが急遽ダンサーとしてステージにあがった。可愛いダンス、貴重なものを観た。共演者の中では浜崎絵里歌さんって方が気に入った。チャイナスクエアのあんかけ焼きそばを讃える歌に笑った。ほかの曲もポップで親しみやすかった。いい音楽聴いてるとまた楽器やりたくなるけど、僕には根性がないという致命的な欠点があるのだ。
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ちょっと古い記事、花とポップスの対談を読んだ。なるほど。入り口はあーただったけど、すぐに花とポップスって集団に興味を持って、その音楽や人間に惹かれていった理由がよくわかった。
花とポップスがアーティストに出資してないのにはびっくりした。作りたいものを自費で作って権利も自分で持つ。1人では出来ないことは、みんなで助け合う。愛と信頼ベースで、自分のことを自分で決めたいクリエイターたち。人間へも人生へもちゃんと向き合ってるから、湧きいでる表現も魅力的だ。とても画期的で理想的で夢があって新しい。そんなレーベルが成立するのは、集まってくるアーティストがクレバーで、人間的に自立して、愛を信じてるからだと思う。で、やっぱりつるうちはなちゃんの人望だ。僕は45になっても受け身な生き方にコンプレックスがあって、だから彼女たちに憧れる。
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ひとつやってしまった。エレクトリックリボンのyuちゃんが挑戦してた、映画の出演権をかけたDMM.yellのイベントに無謀な課金投票をして、結局勝たせてあげられなかった。正直いまだにドルオタさんの文化がわかってない。同じグループでも、推し以外には全く出資しないものなのかな。僕は楽曲派だから推しはいないけど、エリボンが好きだからできることをしただけ。
ほかにエントリーした方々の投票傾向を見ると、それぞれのファンが無理のない投票をしてる。ボンクラさんが無料分の投票をしただけでも結果は違ったと思う。前の別のイベントでも、援護射撃はなかった。彼らはライブ以外のエリボンの活動に好意的じゃないのだろうか。例えば前飲みして泥酔してライブにいったり、挙句タクシーで帰宅するよりは、よっぽど健全な応援の投資だと僕は思う。
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空梅雨が明けたと思ったら、東京の連続降雨記録が続いてる。特に19日は、都心でゲリラ豪雨があって、ひょうも降ったみたい。Negiccoのぽんちゃが、野外ライブの去り際に「バルス!!」って叫んで、その直後に振り始めたんだって。ぽんちゃなら許す。ところでアメッシュを見ると、迂闊に「雨降ってる」ってツイートすると居場所がわかっちゃうよ。僕はおおよそ多摩シティにいるけど。
家ではお布団でツイッター。背中ではチャイがマッサージ、右手にはメイが腕枕。蹴りぐるみっていう、猫が蹴って遊ぶ縫いぐるみがあるんだ。遊び方教えてないのにちゃんと蹴って遊んでるから不思議。男の乳首はなんであるんだろうって話をして、汗かいて帰ってきてシャツを脱いでぼんやりしてたらメイが僕の乳首をちゅうちゅう吸い始めた。男の乳首は甘えん坊の猫のためにある。
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奈良美智さんが豊田市美術館でやってる「for better or worse」に行きたい。ツアーがてらに観に行った遊佐春菜さんが、「山下さん! 山下さんなら、最初の展示室に足を踏み入れた瞬間にきてよかったと思えると思うので、ふらっとぜひです!!」と。のぞみを使っても片道4時間か。いまの体力でどうかな。
日本ではFAXが年間170万台売れて、アメリカでは歴史遺産としてスミソニアン博物館に展示されてるんだって。いらないよあんなもの。フィジカルじゃないと愛着を持てない日本人の資質だろうか。僕はいまでもレコードやCDで音楽を買いたいから、それならわかる。ジュラ紀ぐらいの大昔、サラリーマン時代に、パソコンで打った文章をわざわざプリントアウトしてFAXで送ってたことを思い出した (ジュラ紀にもメールは定着してた) 。
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書きたくない政治の話。ジュネーブ軍縮会議で、核兵器廃絶を世界に訴えてきた日本の高校生平和大使の演説が、今年は見送られた。ちょっと前のニュースでは、高校生たちが「平和を訴える」って意気込んでた。記事には「核禁止条約への言及懸念か」とある。もしそうならば、すごく残念。磯田道史さん「超自然的な力を信じた『日本の戦争』と僕たちのたどった道を考える」。このシリーズはイデオロギー関係ないから面白い。鈴木俊一五輪相に架空計上疑惑。政治家はなんでそんなにお金が好きなのかね。一生に使うお金ってそこまでたくさんじゃないよ。選挙にお金がかかる仕組みを作ってるのも自分たちだ。
地上型イージスを急遽導入するらしい。北朝鮮は日本なんかターゲットにしてないよ。自分から進んでアメリカの盾になるための無駄過ぎる投資だ。自分の乗ってる船に穴を開けるみたいな。
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書きたくない音楽残念な話。JASRACの違法運営に対して意義を唱えるクラウドファンディングをやってる。過去に裁判所からの命令を何度も無視したり、業務改善命令を出すべき案件。
宇野維正さん。「洋楽メインのフェスでステージ撮影禁止はもう無理。そんなの日本だけだし。取り締まってるスタッフがもはや気の毒。アーティストはステージから客バンバン撮って、客にスマホライト要求して、主催者はビジョンでハッシュタグ画像ガンガン映して、それだけ禁止って都合良すぎ」。ライブは肉眼で観た方が絶対に楽しい。でも禁止されてない時は、思い出に最初の何曲かだけカメラを構えることがある。おかしいなって思う。のんちゃんのEPは結局転売屋から買った。ほんと転売屋には撲滅して欲しい。音楽業界チケットの転売にはあんなにうるさいのに、レコードの転売に何も言わないのはなんで?
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楽しい話をしよう。David Bowieの1977-1982年のボックスセットの開封映像。ギャーやっぱり欲しい。迷ってる。いま買わないと手に入らないけど、どうせ将来2026年リマスターとかが出るわけでしょ。Lali Punaの新曲 "The Bucket" 。Mutemathの新曲 "War" 。Robert GlasperがスーパーグループBlue Note All-Starsを結成した。Chance The RapperのNPR Music Tiny Desk Concert。サイコーか。こういう音源出して欲しいなあ。
Scritti Polittiが来日する。いまどんな音を奏でるのか聴いてみたい。RIDEがサマソニのMCで、単独公演をするって言ったらしい。Jeff Mills / Terry Riley / Juana Molinaが来日する。Juana Molinaは単独公演もある。新譜よかったんだよな。ブリティッシュ・トラッドのレーベルTRANSATLANTICのボックスが出る。
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「のん、はじめてのフェス日記 なぜこのタイミングで本格的な音楽活動を始めたのか?」。幸宏さんは真剣なのに慶一さんデレデレだ。スッパマイクロパンチョップさんのツイートが非常に面白い。CDも何枚か聴いて素晴らしかった。ライブに通ってお友達になりたいけど音楽の幅が広すぎてどれに行ったらいいか迷う。田島貴男さんが聴いてるレコードを写真つきでツイートしてる。音楽的背景の解説が面白い。音質へのこだわりも。僕は耳はよくないんだろうな。いい音でつまんない音楽聴くよりは、そこそこの音でいい音楽を聴きたい。プレーヤーのカートリッジもデフォルトのままだ。
矢野顕子さんの "Soft Landing" のPVは、ファンから送られてきた猫動画集だ。「どこのうちのどこの子も、みなかわいい。ひとつひとつの命がここ、ここって叫んでいる。優劣はないよ」。
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今日は田中茉裕さんを観に行く。この曲に衝撃を受けてその数年後に鈴木慶一さんプロデュースで素晴らしいアルバムを出した。23日はTrevor Hornを観に行く。誰でも知ってるデビューヒットはこの曲、その後Yesに入ったりArt Of Noiseに入ったり、プロデューサーとしてものすごーいたくさんのヒットを出した。楽しみだ。
8月26日 僕は現状キモい、キモいと何を言っても説得力がない
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学生時代は羸痩くらいに痩せてた僕が、病気や運動不足でお相撲さんくらいに太った。写真を見て誰だよこのデブ草不可避ってなる。で、しばらくたってひどく落ち込む。録音した自分の声に違和感があるみたいに、我ながらキモい。キモいと何を言っても説得力がない。「キモ男が告白するのはセクハラ」って記事がバズった。もうキモ男の存在事態がセクハラなのだ。
健康診断の結果が酷くてね、痩せます。もうベルトの穴3つぶんくらい痩せた。日常生活に運動を取り入れる。それから寒天!! 学生時代までとは言わなくても、健康診断に引っかからないくらい痩せる。痩せた俺はイケメンだぜ。宮崎県日向市のPR動画が素晴らしい。オタクがサーファーになるお話。こういう動画は炎上しやすいけど、非常に気を使って作られてて、気持ちいい。
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21日は田中茉裕@下北沢440へ。音楽友達H氏から "小さなリンジー" ってデモテープを聴かせて貰ったのは何年前か、非常に衝撃を受けて、その曲は持ってるテンションを保ったまま商品になった。しばらくブランクがあって、鈴木慶一さんプロデュースで素晴らしい2ndアルバムが出た。こんな曲やこんな曲が僕の胸を捉えた。
ところでフライドチキンってときどきどこまで食べていいかわからなくなるね。夕飯を済ませて電車に飛び乗って汗だくで会場へ。440名物とまらん棒 (揚げたスパゲティ) これがとまらんのだ。ライブ圧倒された。ピアノを触ってるのが嬉しくてしょうがないって感じのミュージシャンだった。あの複雑なコードもグルーヴ感も、身体から湧きいでるように自然で。独特な歌声は喜びの放出のようでもあり、悲痛な叫びのようでもあった。たぶんすごい繊細な方なんだろうな。
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対バンの古賀小由実さんって方が気に入った。実は僕が持ってる新代田crossingのコンピにも収録されてて、音源聴いてたわ。吐息混じりの透明な歌声が美しかった。ピアノの確かさ、アレンジの幅に音楽的な懐の深さを感じた。優しい世界の中にちょっとだけイタズラ心が混じって、「あんたがたどこさ」をかっこよくカバーしてた。
23日はTrevor Horn@ビルボードライブ東京へ。サイン会があると知ってたらLP持ってったのにな。俺たちの多摩急行、もっといっぱい走ってたらいい。多摩ニュータウン民は京王の方がいいことを知ってるので、小田急多摩線は盲腸線扱いなのだ。Trevor Hornは数年前にThe Producersってバンド名義で観てる。その時も素晴らしかった。誰でも知ってるデビューヒット曲、いろんなバンドを渡り歩きながら、プロデューサーとして一世を風靡したミュージシャン。
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今回のツアーには、The Producersのメンバーでもあったex. 10cc / Godley & CremeのLol Cremeがいる。ライブは2人の漫談と2人が関わった曲のオンパレード、もうベストヒットU.K.じゃん。最高のレパートリーを最高のバンドで聴いた。こんな幸せあるか。
"Video Killed the Radio Star" には新しいラップパートが。ヴィデオエイジからラジオエイジを懐かしむ曲に、ネットエイジからヴィデオエイジを懐かしむような視点が加わった。終始和やかな雰囲気の中、"I'm Not In Love" も "Cry" も "Relax" も、なぜか "Everybody Wants to Rule the World" もやった。9nineって日本のアイドルに提供した曲は英詩で。Trevor Hornのベースが好きって人いないかな。難しいこと何もやってないんだけど、白人らしい歌うフレーズが好きなんだ。ポップスの魔法使いに魔法をかけられた夜だった。
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24日はあーた@池袋鈴ん小屋へ。弾き語りのあーたは久しぶり。セットリストは最近書いた曲ばっかり、それはブッキングの意図に沿ったものだったけど、どんどん成長する彼女の新曲に対する自信の表れでもあったと思う。サポートがないぶん自分のグルーヴで自分のタイム感で、非常にエモーショナルな演奏だった。顕著だったのがバラードの "スノードーム" や "Iにうまれて" 。あーたの全楽曲が、9月3日からネット配信されるんだって。チェック!!
この日はイベント全体を通して、素晴らしいミュージシャンが揃ってた。ちょっと前にも書いたけど、日本の女性SSWシーンって、音楽っていうよりもアイドル寄りだったり情念だったりする。この日に出演した皆さんは、好き嫌いは別にして間違いなく音楽家で、音楽を演奏していた。それが嬉しかった。
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25日はN氏がぶどうとスイカを持って遊びに来た。ファミレスで飯を食って、家でレコードかけてお喋り。最後のスイカに今年もなったな。最近アナログでリリースされた、Kenny Rankinの初期音源集が素晴らしかった。
今年はフウセンカズラがあんまり育たなかった。種とれないかもしれないな。観たかった映画や展覧会がどんどん終わってく。ライブはこの日この場所って決められてるから行ける。奈良美智さんの「for better or worse」をN氏と観にいく約束をした。豊田市!! 猫と一緒に寝るために買ったセミダブルのお布団の真ん中に、猫が2匹でんと寝てるので隅っこに寝てる。猫が喋るってこういうことだ。もし猫に言葉が通じたら、お父さんは君たちを深く愛してるってことと、パソコンのキーボードを踏んじゃいけませんってことを伝えたい。
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藤原麻里菜さん「意識の低い社会人に効率よく二度寝ができるマシーンのご提案」。猫は室内飼いに限る。その理由はMignonさんのブログで。無人惑星探査機ボイジャーの撮った写真、クリックすると道のりが辿れる。非常に美しい。ラブプラスのスマホ版が出る。ラブプラスか...いつまでも彼女ができない僕のために、友達の薦めで第一作をやった。凛子との変わり映えしない日々、4月に進級しないことがわかって完全に飽きた。凛子には悪いことをしたと思ってる。
小池百合子が関東大震災の朝鮮人虐殺に対する追悼文を断った。震災で亡くなった方々と、差別で殺害された方々を混同させる言葉遣い。バカで落ち目の安倍晋三より、冷徹で歴史修正主義を前面に押し出してきた小池百合子の方が今は怖い。Johnny Cashの子供たちが、JohnnyのTシャツを着ていた白人至上主義者を批判した。
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音楽の話ダダダ!! Bon IverのS. Careyの新曲 "Brassy Sun" 。Lee "Scratch" Perryのリメイク "Dread Lion (Dubstrumental Mix) " 。FRIGGって北欧の新バンドの "Udodelige" 。Alvaro Lancellottiの新曲 "Canto de marajo" 。Four Tetの新曲 "SW9 9SL" 。Daniel Caesarの新曲 "We Find Love / Blessed" 。Eirik Glambek Boeの新バンドKommodeの "Fight or Flight or Dance All Night" 。カリンバの一種ムビラでカバーした "Hallelujah" 。Avenged Sevenfoldってヘビメタバンドがカバーした "God Only Knows" これ意外といい。James Taylorが亡きGlen Campbellに捧げた "Wichita Lineman" 。再発もいっぱいある。どうしたもんか悩ましい。
Paul Wellerが来日する。Primal ScreamのBobby Gillespieが31年ぶりにJesus & Mary Chainのライブに参加した。胸熱!!
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NegiccoのKaedeさんが澤部渡さん提供曲でソロデビューする。蓮沼執太 & U-zhaanの新曲 "ベーグル" 。柴田聡子さんの "愛の休日" がアナログ化される。「スピッツのデザイン」って本が出る。石野卓球さんがライブミックスを公開した。大貫妙子さんの "SUNSHOWER" がテレビで話題でアナログ再発される。
山下達郎さんが聴覚検査のヘッドフォンのS/N比を巡って医者と喧嘩した。11月3日レコードの日、既にラインナップが魅力的すぎる。あっこゴリラさんの歯科矯正が終ったことがニュースになってて笑った。薬師丸ひろ子さんの "探偵物語" を33回転でかけると、作者の大滝詠一さんっぽくなる。今日は直枝政広さん、青山陽一さん、曽我部恵一さんの誕生日なんだって。そんな特異日があるんだ。
8月29日 全国ののび太くんやカツオくんへ
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ツクツクボウシが鳴きだした。ここ数日、朝晩は過ごしやすかった (今日はまた暑かった!!) 。全国ののび太くんやカツオくんはそろそろ助けを求めてるだろうか。夏の終わりを描く名曲は多い。高野寛さんがそんなセットリストを作った。radikoタイムフリーで1週間は聴ける。アーカイブでこの日記を読んでる人、基本アイテムで揃えた素晴らしい選曲なんで、これくらいは買って聴いたらいいと思う。
ダイエット続いてる。この夏でベルトの穴3つぶん痩せて、もう1つ穴を開けたり切ろうとしたら、もう構造的にできないんだ。嬉しいような、また出費かとも。方法は簡単、寒天を戻していろんなものに混ぜて食べてるのと、いままでバスを使ってたちょっとした距離を歩いてるだけ。リバウンドの経験があるから無理はしない。元が元だからさくさく痩せる。健康体重にはほど遠いんだよ。
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26日は日記を書いた後、Period.@新代田crossingへ。10月の大きなワンマンライブに向けてプレライブを続けてて、この日は序破急の「破」。あこちゅあさんとのコラボイベントだった。
これが予想以上に楽しかった!! それぞれのコーナーがあって、数曲コラボするのかと思ってたら、最初から最後まで振付から衣装から舞台装置からVJから、完璧に仕込んだガチのコラボだった。クラゲモチーフのステージと音楽が、ひとつの世界を作り上げてた。Period.は僕にとってくらげだしちーだ。こんなにいいものを観せてくれるようになったんだな。ワンマンライブがますます楽しみになった。トークコーナーがまた楽しかった。とてもここには書けないオフレコ話にゲラゲラ。crossingのギネスを何パイント飲んだかわからない。ギネスは上手い人が入れないと美味しく飲めないんだ。
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27日はエレクトリックリボンのぇっかの生誕祭@渋谷Milky Way。実は直前に、いわゆるドルオタさんとの文化の違いに驚いてバカバカしくなって、気乗りしなくなっちゃったんだ。
生誕祭って風習も、最初に知った時は驚いた。自分の事務所の所属タレントの誕生日会を企画して、客呼んでお金取るのかよって。まあその通りなんだけどさ。チェキもびっくりした風習のひとつだ。客のスマホの方がずっと画質がいいのに、なんでこんなので撮るんだよって。いまはチェキ大好き。いっぱい撮ってもらって、集めて眺めてホクホクしてる。まだまだこの世界のマナーやしきたりがわかってなくて、迷惑かけたり怒られたりもしてる。でも世界が広がるのはいいことだよな。みたいなもじゃもじゃを抱えながら、ちょっと頑張って行った。行って良かった。最高のショーだった。
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最初に登場したのは寺田珠乃さん。この方知らなかったんだけど、人気があって最近解散したアイドルグループのリーダーだったのだな。柔らかい声で、すごくいい歌を歌う。2曲目からはぇっかとデュエットで、相性もばっちり。大バラードを歌いあげた。
そこからのギャップで、クリトリック・リス登場。もう何回も観てる大好きなエンターテイナー。シーケンサーをつけた海パン1枚のおじさんが、テクノポップに乗せて下ネタを歌う面白さ、激しさと哀愁がたまらんのだ。彼を呼んだ時点でこの日は成功です。客席に飛び込んできてマイク向けられたんで、思いっきり歌ってやった。3組目はBillie Idleって知らないグループ。アイドルなのにちょっと古めのバンドサウンドで、タフでノリがよくて気に入った。クリトリック・リスの勢いを繋げられるチョイスだった。ご機嫌で鑑賞。
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トリにエレクトリックリボン登場。やっぱり抜群に楽しいな、彼女らのライブは。曲よし歌よし笑顔よし。ニコニコ眺めて "アイライン" で本編終了。ここからがボンクラさんの出番だ。馬車みたいな神輿に乗ったタキシードのパイセンさんが、ぇっかにベールをかけてウェディングケーキに見立てたプレゼントを贈呈。いつもボンクラさんの仕掛けには感服だけど、この日は桁違いだった。プレゼントを受け取るぇっかの表情がキラキラ輝いて、もう本当に結婚すればいいのに。
物販やって一本締めで、はい解散ってならないのがぇっかの生誕祭。顔面ケーキをやるのが恒例のならわしなのだ。最年少のあいりが一投目をぇっかに投げつけて、メンバーもボンクラさんもクリームまみれ。個人的には帰りの電車でマネージャーのI川さんと音楽話で盛りあがったのがアツかった。お誕生日おめでとうございます。
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28日は5週間ぶりのカウンセリング。某女子大の心理学科の学生さんの実習を兼ねた、非常に安いカウンセリングを受けてる。美人女子大生と2人きりでお喋りできるなんて、その手の店だったら幾ら取られるんだろう。もちろんカウンセリングだから、恥ずかしい悩み事も話すわけだけど。波乱万丈の日々を語り切れるか心配だったんで、かいつまんで話したら15分で終わっちゃった。健康診断の結果はともかく、元気に楽しい日々を送ってますと。
きのうきょうはちょっとした用事でバスに乗っただけ、基本的にはぐうたら過ごした。弟猫が兄猫の尻尾で遊んでる。兄猫もわかって尻尾振ってるんだろうか。うちの寝室には掟があって、2人しか同時にいちゃいけないの。僕がいない時は猫が2匹で寝てて、僕が部屋に入るとどっちかの猫が出ていく。でも冬は3人でぬくぬく寝る。
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今朝、北朝鮮が弾道ミサイルを発射して、そのことよりみんなの反応にびっくりした。いまの日本はわざわざ攻撃するほど世界から関心もたれてない。太平洋の米軍基地を狙うために上空をお借りしますよと。過剰な反応をするのは、挑発して自ら盾になる行為だと思ってる。
小田嶋隆さん。「敵の思うツボにハマって過剰反応してみせることが、この際、外交的にはともかく、国内のリーダーシップのために有効だという判断なのですかね。中略。現在が開戦前夜であることを広く国民に知らしめ、国民の一人ひとりに戦時体制の覚悟を求めることが、現政権の考える『日本』を『取り戻す』うえで欠かせない段階だということなのでしょうね」。お花畑と戦場ならお花畑がいい。右も左もどの国も、ひとりひとりは愛情を持って生きてると僕は思ってる。その愛情を、集団になった時にも維持できるかどうか。
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安倍晋三は、「我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威」って言った。1998年にも2009年にも飛び越えてるよ。「これまでにない」過剰反応を引き出すために嘘をついたわけだ。「我が国」って「消防署の方から来ました」詐欺的なアレだな。安倍は軍備と支持率のために、むしろ我が国に向けて発射して欲しいんじゃないの。そもそもミサイルは領空とも言えない大気圏外を通過して、日本に落とそうにも落ちようがなかった。
ABCキャストで古賀茂明さん「今までにない『脅威』とか言ってるけど全然ウソ。これは明らかに国民の危機感を煽るために言っている。危ない、危ない、地下に入れとか言ってるけど一番危ないのは原発。原発についてはいつも何も言わずにただ一般的な恐怖感を煽る」と。古賀茂明さんの是非についてはともかく、冷静に冷静に。
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土星探査機カッシーニが13年の旅の末、9月15日に最後の挨拶をする。直前まで土星の情報を伝えてくれる。その道程を追った動画。こないだのアメリカの皆既日食で、登山家と日食が重なった美しい写真を撮った経緯を紹介した記事。インディー・ジョーンズのモデルになった古代史研究家が発見した古代バビロニアの粘土板に書かれてたのは、三角法かも知れないって記事。
町山智浩さん「『この世界の片隅に』アメリカの観客・評論家の反応を語る」。あの映画が、世界でも大きな反響を呼んでいる。と同時に、やっぱり文化によって受け取り方が違うのは興味深い。第5回ブクログ大賞のマンガ部門に、深谷かほる先生の「夜廻り猫」が選ばれた。手塚治虫文化賞に続く受賞。僕も大好きなマンガ。
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パンクスピリットを紹介した記事「車椅子、杖、立たないモヒカン ─パンクフェス21年目の『精神』」。Frank Oceanがきのう新曲 "Provider" を公開したんだけど...あれいまは聴けない。Msafiri Zawoseの新曲 "Chibitenyi" 。ワールドミュージックの世界で話題を呼んでるらしいHUNTZAが来日する。"Aldapan Gora" 。かっこいいな。Dan daっていう石でできた楽しそうな楽器。
Roy Ayersが来日する。これは行きたい。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の極上音響上映がある。ワーナー・ブラザーズが名盤のピクチャーディスクを大量に発売する。Laura Nyro、The Smiths、Bread、おっさんホイホイの再発がいっぱいある。僕は新しい音楽も好きだから、何十年ぶんものカタログが押し寄せる。
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向井秀徳さんが下北沢で3時間半に渡るゲリラライブをして、居合わせたシバノソウさんとデュエットした。向井さんってなりたい理想のおじさん像の1人なんだけど、年下なんだよ。鈴木慶一さんが「アウトレイジ最終章」のサントラをリリースする。気になるのは同時進行で作ってた雲南省を舞台にした中国映画の音楽で、タイにも近いそうでその辺どう料理したか聴きたい。つるうちはなちゃんも鈴木慶一チルドレンだそうで、僕が花とポップスに惹かれたのは必然だった。Nakanoまるちゃんのクラウドファンディングも着々と進行中。"笑う女の子" のMVを作る。KIRINJI "The Great Journey feat RHYMESTER" 。かっこよすぎる。ラブサマちゃんに平穏な日々があらんことを。
世の中には聴くべき素晴らしい音楽が多すぎるな!!
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考えを正確に伝えたい時、140文字のツイッターからブログへ誘導するのは賢明だけど、タイムラインのスピード感とブログの長文のスピード感が違いすぎて、クリックするのが躊躇われることがある。この日記もツイッターからの来訪者は少ない。考えてるよ。
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