DIARY
2018年11月
11月2日 SIDE-A Sleep pretty darling do not cry, and I will sing a lullaby
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結局10月は2回しか日記を書かなかった。それも長大なやつ!! もっとマメに短いのを書くよ。読む方も書く方もお互い大変でしょう。
23日は14時間かけて「グロテスクな」日記を書きあげた。なんか違う気がする。タイムラインを流れてきたBrian Wilsonの写真、表情が柔らかくなったなあ。
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24日。Gotchさんの連載「後藤正文の朝からロック」の中で、朝日新聞史上初めて「ニプレス」って言葉が使われたそうだ。
美人女子大生カウンセラーさんとの憩いの時間へ。毎週行きの電車の中で、They Might Be Giantsが恒例の新曲をアップしたことを知る。これが、何事も成し遂げてない僕にはプレッシャーだったりもする。
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カウンセリングの話題は「人生は勝ち負けじゃない」こと。って言いながら、表現欲があったりThey Might Be Giantsが毎週新曲を発表してることにプレッシャーを感じるのは、矛盾があるんじゃないかって指摘された。
そうだよね。でもそこまで割り切れるもんでもない。いいものを見聞きしたら自分もやってみたいよ。悟りきれないですって話をした。
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夜はJanet Klein and her Parlor Boys@渋谷CLUB QUATTROへ。1920年代のパーラーミュージックを奏でる永遠のモガ。ウクレレは数曲だけ、ピアノ、トランペット、フィドルのParler Boysの演奏に、可愛い歌声を載せる。”銀座カンカン娘” なんて日本語の曲も披露した。「私の時代には新しすぎるけど」って。楽しかった!!
ダンスフロアがあって、次は女の子を連れて踊りたいな。
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Janetのマネージメントをしてるレーベルの代表の山崎和美ちゃんは古い友達で、サイン会の時にそのことをJanetに伝えたらワーッて喜んでいっぱい話しかけてくれた。ほとんど聞き取れずにごめんなさい。
英語ちゃんとやりたいな。基礎英語からだな。ライブレポートがここにある。
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25日。快晴。布団を干した。
John Lennonがまた映画になるのか。Beatlesが解散したのがだいたい30歳、Johnが亡くなったのが40歳。山田ルイ53世さんが、「引きこもりの時代がいまの山田さんを作ったんですね」って言われて、「僕はこの6年は完全なる無駄やったと思っているんですよ」って応えた。僕の鬱病の18年も完全なる無駄だ。
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障害者支援施設の登録、ついでにその日にあったフィットネス教室を受けてきた。マットに発泡スチロールのポールを乗せて、その上でいろんな体勢を取る。内側の筋肉に効いてるのがわかる。痩せそう。
なにより自分のペースでやっていい、出来なくても怒鳴られたり殴られたり両親呼び出されたりうさぎ跳びしなくていいのがいい。そんな「体育」に初めて出会った。
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夜はN氏が来て、山と積まれた段ボールを整理してくれた。そういうことができないんだよね。ありがたい。二人で西荻窪のコノコネコノコに行った。猫好きで音楽好きの若い夫婦がやっている美味しい創作料理のお店。落ち着いた楽しい時間だった。
ミスiD実行委員長の小林司さん、音楽の趣味がすごく合う。ミスiDの女の子たちも素敵な音楽を聴けばいいのに。
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26日。楽しく充実した日を送った反動で深い抑鬱状態に陥り、ずっと寝てた。子猫が鳴いてる動画を観てると、うちの猫たちがすっ飛んできてスピーカーにすりすりする。母性本能を刺激するんだろうか。
マックに美味しさ求めてる人あんまりいないと思うんで、マックのCMがいつも美味しさ推しなの違和感がある。
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27日。Contrary Parade@渋谷Loft Heavenへ。
なんと5年ぶりの新作 “PARADE” のリリースパーティーだ。対バンのyou & me togetherは、ちょっとアシッドな女性ボーカルバンド。杉山清貴さんに名前が似てる杉本清隆さんは、おじさんなのにキュートな少年声のピアノマン。どっちもContrary Paradeのパーティーにぴったりな素敵なポップス。
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そしてバンド編成で登場のContrary Parade。1曲目 “ジュブナイル” ってだけで泣ける。もちろん新譜からのナンバーを中心に、名曲アフター名曲、アップテンポに攻めたあっという間のライブだった。"そして僕らは大人になる" 。
MCで衝撃の発表、もうすぐ次のアルバム “CONTRARY” がリリースされるという。なんてことだ。名前の順番が逆なところが彼女らしい。Contrary Paradeが100万枚売れない日本のミュージックシーンはおかしいと思う。
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夜も渋谷でライブを観る予定だったんだけど、時間を潰すあてがなくてサイゼリヤでワインをちびちび飲んだ。細野さんが星野源さんを、「いい店があるんだ」って連れてった店ことサイゼリヤ。
デキャンタでワイン頼んだら「グラスはひとつでよろしいですか」って余計なお世話だ俺はいつも独りだ。ヘッドフォンをわけあってるカップル、ボーカルが片チャンネルとか偏ったミックスでありますように。
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この日はLou Reedの誕生日。生前最後のインタビューでDavid Bowieについて、「俺はデヴィッドの身内でも、予想屋でも、分析家でもない。俺はデヴィッドが本当に好きなだけだよ」。って言ったそうだ。そしてLouの訃報にBowieは「He was a master.」って応えたそうだ。2人の関係いいなあ。
Lou Reedはライブを観たのだ。最高だった。David Bowieは観れなかったな。John Caleはハイタッチしてもらった!! 羨ましいかい?
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夜はさとうもか@渋谷LUSH。もかちゃんはバンドを従えて一番手。バンドがいるってこともあるけど、ライブずいぶん安定してきたなあ。アコギを弾いて、時におしりふりふりダンスして歌の世界を伝えるもかちゃん。
対バンはラップ2組、ディスコファンクバンド1組っていう不思議なブッキングだったけど、ぜんぶ良かった。特にLucky Kilimanjaroってバンド、メジャーデビューを控えてるそうで、グルーヴィーで楽しかった。
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ぜんぶの出演者の音源を買ったんだけど...人としてなんの取り柄もない僕は滑舌も悪くて、何度も「は?」って聞き返されると精神的ダメージを受けるね。
地味ハロウィンがトレンドの2位にいた。「自分の番でシュレッダーのくずがいっぱいになった人」「温泉から上がったらスリッパが無くなってた人」「ホテルのオートロックで閉め出された人」が秀逸。
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28日。うーむ僕は吉村かおりさんのライブの日に体調を崩す。夜はmayulucaさんを観に行く予定だった。年に1度しかライブをしない方なんで、会えなかった七夕の気持ち。
この日の看病係はメイ。前の日に毛玉取りで一悶着あったのにありがとうな。彼らが話せたら何を喋るのかな。
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29日。Festival de FRUEの支度をするつもりだったけど、やっぱり寝込んでた。デーブ・スペクターが「本物の楽器を使用する以外の音楽は音楽じゃないと、法律で決められないものですか?」だって何いってんの。彼にとって「本物の楽器」ってなんなんだろう。音楽はもっと自由で懐が深いぜ。
猫が猫にチューして僕にチューした。猫は自分を人間だと思ってるってよく言うけど、人を大きくてどんくさい猫だと思ってるんじゃないだろうか。
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30日。フェスに行く準備をしたい→FUJI ROCK用の持ち物リストがWord書類であるので見たい→Mac OSのアップグレードでWordが開かない→新しいOfficeを購入→ダウンロードするためにMicrosoftのアカウントにログイン→パスワードがわかりません→再設定のメールがSPAMサーバーに届く→再設定→アカウントに「一時的な問題」でログインできない→Microsoftに電話→たらい回し→待ち時間にPhotoshopも最新版を購入→紆余曲折を経てPhotoshopダウンロード→Mac版を購入したのにexeファイルだった→Microsoftの電話待ちでAdobeに電話できない→Microsoftから電話、ログインとOfficeダウンロード完了→Adobeに電話しようにも電話番号がない→ググって電話して1時間待たされる→AmazonとAdobeの連携ミスが発覚→Mac版のダウンロード完了。
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みんなパソコンとかスマホとかよく使いこなしてるな。僕は機械のトラブルにすぐメンタルをやられる。OfficeもPhotoshopも64bitに非対応で、前のOSではなんとか動いていたものの、OSのアップグレードで動かなくなったみたい。
いいこと思いついたんだけど。今日はもう寝ちゃって明日の朝早起きして超がんばるってどうかな。で、翌朝5時に起きて頑張った。やればできるのはわかってたのだ。
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30日。初恋の日。なんども書いてるけど、僕の初恋は出来すぎたいい話なんで、岩井俊二監督で映画化した方がいい。
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「Twitter、『いいね』機能の廃止を検討」。「いいね」にはいろんな意味がある。面白い。賛同する。応援してる。僕はあなたのファンです。レスを交わして会話を終わらせるためにそっと置く「いいね」。「プラットフォームに健全な会話をもたらすため」って、ツイッター社はツイッターを議論の場にしたいのだ。ギスギスして好かん。
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眠い目をこすってかねこきわの@高円寺U-hAへ。この日は怪物デーだった。U-hAさんしかぶつけないだろうチャレンジングなブッキング。すごく楽しかった。
きゃのん「今日はハロウィンですね」っていつになくスムーズな滑り出し。しかしハロウィンは明日なのだよ。突っ込んだもんか迷って突っ込んだ。きゃのんは自分のことを頭が悪いと言う。いや、頭が良すぎるのだ。回転の早さに自分が追いついてないのだ。だから結果として不器用なのだ。
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先日の全曲新曲ライブで披露した曲も含めて、圧倒的なソングライティングセンスが光った。やっぱり天才だ。ヘルシーなんちゃらステレオは、きゃのんの天才性の一部だけでも感じられると思う。そしてめくるめく素晴らしき楽曲たちをぜひ。
ギターで弾く曲とキーボードで弾く曲、どうわけてるのか聞いたら、ギターで作った曲はギターで、キーボードで作った曲はキーボードでっていうわかりやすい応えが返ってきた。コードを把握しないで指で覚えてるのだ。キーボードと比べるとギターは必死で、それが歌にも響いちゃうんで課題かもな。
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対バンのannasekaiさん、床に座ってキティちゃんのキーボードを自在に操り、おもちゃの楽器を持ってフロアをまわり、「やおよろずのかみさま」について歌う。
普段はギターでライブしてるけど、この日はふと思い立ってピアノで歌うという。テーマがうんこだったり土だったり子供だったり、とにかく「おおいなるもの」についておおらかに歌うのだ。荒井良二さんの絵本にそのまま曲をつけた「なんていいんだ ぼくのせかい」はぜひ音源化して欲しい。またすげえ才能を見つけてしまった。
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31日。通院のあと美人女子大生カウンセラーさんのカウンセリングへ。女子大には可愛いコスプレをした女子大生がいっぱいいて、記念写真を撮ってた。おじさんも撮っていいかな (撮ってません) 。
あんまりディープな課題は置いといて、先週はまま、楽しい日々だったこと。そして今週も楽しい予定が詰まってることを報告した。
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夜中に目が覚めて、肉体的要因か精神的要因か気候的要因かわからない謎の体調不良で七転八倒した。痛いのか寒いのか気持ち悪いのかわからない、その全部が襲ってきて、だからなんの薬を飲んだらいいのかもわからない。救急車を呼ぶことも考えたけど...猫を抱いて2時間くらいしたら立ち上がれるくらいには回復した。猫は万能薬だ。
明日はPaul McCartney行きたいんだよ。かの伝説のBeatles来日の時も、チケット取れて体調不良で行けなかった人いるんだろうな。
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The Tights “Halloween” 。日本で一番ステキなハロウィンソング。Happy Halloween。
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1日。なんとか起き出して、障害者支援施設のフィットネス教室へ。この日は棒を使ったエキササイズ。やっぱり内側の筋肉に効く。となると痩せたい願望が強くなってくる。体を動かしてすっきりして、なんとか東京ドームへ。
Paulが来日した30日のニュースを見るに、羽田空港で歓迎したファンはおばちゃんばっかりだったな。若い頃、友達の女の子がトム・クルーズを歓迎するサクラのバイトをした。トム・クルーズは若い子じゃないと格好がつかないのだ。
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アリーナの前の方、すごくいい席で観れた。ファン層はBeatles Ageから学生とおぼしきカップルまで、老若男女揃ってて健全。
前に観たPaulはBeatlesナンバーをたくさん演って、それはそれでもちろん盛りあがった。この日はソロの曲やWingsの曲や新曲がメイン。今を生きる表現者としてのPaulだった。ファンがステージ上で恋人にプロポーズするサプライズも微笑ましい。こういうこと受け入れちゃうお茶目さがある。
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魔法の時間だった。Paulなんてもう働かなくても10代先まで食えるじゃん。それでもコンスタントにアルバムを作って全身全霊でライブをする。そこにあるのは、もはや音楽への愛だけだよね。50年以上も世界のトップに立ち続けてきた男の底力を突きつけられた。世界を変えた男は飄々としてた。
時に世界や人間を諦めそうになるけど、彼みたいな存在が、とんでもなく尊くて美しい瞬間をみせてくれる。ライブの間、別の時空にいるみたいに夢中になってた。最後は “Golden Slumbers” “Carry That Weight” “The End” 。
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2日。ケラさんに紫綬褒章のニュース。新聞の見出しは「劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ氏」ですよ。ケラさんのコメントはこちら。そしてCheap Creamのぇっか結婚のニュース。おめでとうございます。
団地の消防工事があった。我が夕暮れ団地は住宅用火災警報器「まもるくん」にまもられてることを知った。
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明日からFestival de FRUEに行く。1ヶ月切ってから「バスツアーを企画します、何時発がいいですか」とか「テントサイトにトイレ去年もありました、知ってる人だけ使ってたみたい、会場の地図を作ります」とか、後手後手な対応が気になってた。
ここ数日でも「アルコールや飲食物の持ち込みは禁止です」「キャンプサイトは火気厳禁です」。このためにガスコンロを買った人もいるだろうに。バーベキューやるつもりで準備してた人もいるだろうに。
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僕にとって切実だったのは、「11月でも暖かいって言ってきましたが現地スタッフによると寒いそうです。寒さ対策を厳重に」ってツイート。もう着るものの荷物送っちゃったよ。これからジャージでも探す。公式アカウント、いままで出演者のMVばっかり紹介してたんだ。行く前から運営に対して疑念があるぞ。
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SIDE-Bへ続く。
11月2日 SIDE-B Boy, you're gonna carry that weight a long time
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BBCが英語以外の言語で作られた名作映画を選んだ「最も偉大な非英語圏映画 TOP100」を発表した。43カ国209人の評論家が選んだそうだ。なるほど。「ムトゥ 踊るマハラジャ」の4K&5.1chデジタルリマスター版。誰が企画したんだ。
ゴッホ、スーラ、モネ、シカゴ美術館所蔵の4万点の作品画像がダウンロード可能になった。著作権フリーの作品もある。
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「月の宇宙基地、最大4200億円...日本負担は?」。読売新聞のサイトにあったんだけどソースが消えちゃった。3兆円かけて運動会やるよりこっちに投資しようぜ。「宇宙旅行、脳に永続的な影響か」。半年間宇宙に滞在した宇宙飛行士を調べたら、7ヶ月たっても脳の髄液が元に戻らなくて、一部の脳組織が減っていることが明らかになった。
「古代ギリシャの沈没船 ほぼ完全な状態で発見」。
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「『超人』の秘密を探る、特別な人々から学べること」。「何かに関して非常に上達するだけではなく、世界で一番になるためには、必死に頑張り、環境を整えて努力することの他にも、遺伝的に優れていることが確かに必要だとわかってきました」。
「なぜ、山梨県は長寿なのか? AIの分析でわかった衝撃の理由」。答え書いちゃうと「読書」なんだって。理由を読めばなるほど。「『朝食抜きは太る』解明=体内時計狂いが原因」。うーむ僕の生活リズム、フリージャズみたいだもんな。
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大学の入試の国語が「文学国語」「論理国語」の選択式になるらしい。
小田嶋隆さん。「おそらく『文学国語』の方は『非論理的な読解はそもそも教えられることではないし、それゆえペーパーテストにもなじまない』てなことで、入試問題から追放されることになるだろうし、そうなれば、いずれ選択する生徒もいなくなると思う。お国が『国語』を『論理国語』と『文学国語』に分類する狙いは、『文章』を『論理を基盤とした情報運搬ツールとしての側面』と『情感や余韻や行間を読み合って楽しむお気持ち忖度娯楽』に分類し、さらには『本文』と『行間』に分類したうえで、『行間』の部分を駆逐することなのではあるまいか」。
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シリアで拘束されてたジャーナリストの安田純平さんが開放された。
NHKにあったソースが消えちゃったけど「トルコ政府側に引き渡されるとすぐに日本大使館に引き渡されると。そうなると、あたかも日本政府が何か動いて解放されたかのように思う人がおそらくいるんじゃないかと。それだけは避けたかった」。つまり日本政府は今回の件について完全に蚊帳の外。「『寝耳に水』のような10月23日夜の政府関係者の慌ただしい動きを考え合わせると、シリア内戦の状況変化という主因の『棚ぼた』を、ここぞとばかり『ユニット』の活躍アピールに使ったようにしか見えない」。
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で、また出てきた自己責任論によるバッシング。「安田純平さんへの批判に、専門家は『危険を冒して取材する人の価値が高まっていく』」。
しりあがり寿さんが4コママンガで見事に論破した。生徒「なぜジャーナリストはわざわざ危険な場所にいくんですか?」先生「誰かが危険な場所で何がおこっているか世界に知らせないといけないだろう。何がおこっているか世界は対策もたてられないからね。みんなは危険な場所で何がおこってるか知りたい?」生徒「...」先生「じゃあ逆に、君たちが危険な場所でくらしていたとしたら、世界にそのことを知ってもらいたい人?」。
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「東京電力ツイッター、福島原発事故の建屋を『工場萌え』」。これに対して世耕弘成経産省は「ユーモアを見せるのは悪くないが、非常にスキルが要求される。いい教訓になったのではないか」。本気でユーモアの問題だと思ってるんだろうか。あの事故の時怖くなかったんだろうか。3歩あるいて忘れちゃったんだろうか。
「米から購入安倍政権で急増 兵器ローン残高 5兆円突破」。もちろん税金から支払われる。「護衛艦や潜水艦 兵器予算を補正で穴埋め」。武器買いすぎを誤魔化そうとしてる。補正予算は本来、自然災害や不況対策として組まれるものだ。
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前の日記で予言した通り、身内が身内をジャッジする茶番で「沖縄県の辺野古埋め立て撤回 国交相が執行停止を決定 近く工事再開へ」。
「森友学園問題を追及した元NHK記者が記者職を外されたわけ」。言葉の隅々から、彼の聡明さが伝わってくる。失ったNHK果てしないアホだな。「スマホ販売に補償金上乗せ 著作権者に分配検討の時代錯誤」。「録音や録画に対して、著作権者への補償金の支払いを義務づけている。集まった補償金はJASRACなどに分配されている。新たに補償金を回収できる機器として、パソコンやスマホがターゲットになりつつある
(抜粋) 」。
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音楽の話。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2018/10/26とNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2018/11/2を。
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Arrested Developmentの精神的支柱、Baba Ojeが亡くなった。The Residentsのマネージメントチームの中心人物でソングライターのHardy Foxが亡くなった。
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Thundercatが新曲 “King of the Hill feat. BADBADNOTGOOD & Flying Lotus” を公開した。Toro Y Moiが新曲 “Freelance” を公開した。The Good, The Bad & The Queenが新曲 “Merrie Land” を公開した。Ian Brownが新曲 “First World Problems” を公開した。D'Angeloがヴィデオゲーム用の新曲 “Unshaken” を公開した。Van Morrisonが新曲 “Go To Go Where The Love Is” を公開した。Underworldが新曲 “Another Silent Way” を公開した。Prefuse 73の新プロジェクトReto A Ichiのデビュー作が全曲試聴できる。Mumford & Sonsが新曲 “If I Say” を公開した。Beirutが新曲 “Corfu” を公開した。Steady Holidayが新曲 “Love and Pressure” を公開した。
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Louis Coleが “Thinking” のセッション動画を公開した。Carole Kingが “One” のリメイクバージョンを公開した。Gregory Porterがライブアルバムをリリースする。Danny Kortchmarがライブアルバムをリリースする。Computer MagicがElvis Presleyのカバー “Suspicious Minds” を公開した。Trevor Hornがカバーアルバムをリリースする。Cat PowerがFrank Oceanの “Bad Religion” をカバーした。Kacey MusgravesがKeaneの “Somewhere Only We Know” をカバーした。Thom YorkeがJames Blakeなどを含むミックス音源を公開した。インド・ナガランドを舞台にした農村音楽ドキュメンタリー「あまねき旋律」が面白そう。タイで軍政批判ラップ “RAP AGAINST DICTATORSHIP” が大ヒットしてる。タイ政府は参加したラッパーたちを拘束するって通告してる。
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細野晴臣さんが新作をリリースする。正月に「イエローマジックショー2」を放映する。細野晴臣プレイリスト企画第6回がケラリーノ・サンドロヴィッチさん、砂原良徳さんの「ケラさん逃げて」コンビ。めんどくさいので敢えて説明しない。
11月9日 SIDE-A コラム : みんな同じ恋の歌ばっか つまんない
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1日にPaul McCartneyのライブを観た。The Beatlesも初期はありきたりな恋の歌でブレークして、音楽性もオールディーズと言っていい。
やがて歌の内容は哲学的で文学的になり、恋の歌で叫び失神するファンに辟易してライブ活動をやめてからは、スタジオの実験に明け暮れ音楽を学び進化して、いまのポップロックに直結する音楽性にまで発展した。そしてそれも大ヒットした。
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前にPaulのライブを観た時は、セットリストはBeatles時代のヒット曲に溢れてた。それはもちろん盛り上がる。ニューアルバム “Egypt Station” が36年ぶりの1位を記録して、今回のライブは新曲やソロの曲が目立った。それでもしっかり盛り上がった。
賛否両論あるだろう、過去の栄光に頼らないで、76歳になっても創造性を失わないPaulをかっこいいと僕は思った。
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3日4日にFestival de FRUEっていうフェスに行った。民族音楽や実験音楽、クラブミュージックに至るまで、あまりテレビでかかることのない辺境の音楽を集めたフェスだ。出会いの数々に、深い感動と感銘を受けた。
つまりたった数日の間に、いわゆるポピュラーミュージックと抽象的な芸術音楽の、とてもいいところを楽しんだんだ。
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東京に戻ってきて、若きシンガーソングライター田中ミズホのライブを観た。アイデアに溢れ、笑いに溢れ、誠実なソウル (魂) に溢れ、大いに楽しんだ。6組を詰め込んだライブイベントの何組かは素直に楽しめた。
でも楽しめないミュージシャンも何組かいた。3流J-POPの様式美から抜け出すことはなかった。数日前まで非常に幅広くいい音楽を聴いてきた耳に堪えた。
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その帰り道、好きなアイドル系のソングライターが「ポップな歌しか聴きたくないし、恋以外歌うべきことなんてないなーと思うなー」ってツイートした。
音楽の可能性を堪能したタイミングの僕には聞き捨てならなかった。彼女は「ありきたりじゃない恋の歌」を作るんですよと言った。それはそう思う。だから彼女の音楽を好きになった。世の中の、発情するばかりでほかにないのかって音楽家には辟易する。
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彼女は例えばシューマンの “子供の情景” にも思いを乗せて、愛を感じると言う。そしてモチベーションは孤独感だと。孤独感なら僕は負けない。
Festival de FRUEにYEK by Mohammad Reza Mortazavi & Burnt Friedmanってユニットが出演した。トンバクっていう小さな打楽器と、MacBookのユニットだ。そのミニマルさの中には思いが乗る隙間はない。思いが乗らなくても体が反応して浄化される音楽がある。孤独感は音と対峙することで霧消する。
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アイドルソングはとても定型的で、だからアイドルオタクには保守的な人が多い。同じ構成の似たような楽曲に同じダンスとコールを入れる。同じ仲間ときのうの続きみたいに飲む。彼女のフィールドでは、それでいいんだとも思う。
音楽の可能性を自ら封じ込める音楽家は、音楽を聴いてないし、打ちのめされたこともないし、自分が「音楽を知らない」ことすら知らない。でもさ、「HP (体力) 削ってでも興味を広げてかないと、MP (創造性や挑戦力や思考力) は回復しない」。
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音楽を愛しすぎて知りすぎて、畏怖の念を持つことで、気楽に創作や演奏できなくなることもある。僕はそのパターンだと思う。自分の才能を自分で思い知ってる。作っても自分でボツにしてしまう。それを繰り返すうちに、作ることもしなくなってしまった。それに比べたら狭い世界、定型的な楽曲でも、作り続けてる方がずっとかっこいい。
職業作曲家は音楽を愛してない方がいいのかもしれない。寂しいけど。
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保守的と言えば、日本のヒット曲が恋の歌ばかりなのは、遡れば万葉集の相聞歌にたどり着くって説がある。つまり日本古来の文化の傾向と、西洋音楽の極めて表層的な部分を融合したのが、いまの日本のヒットチャートと言えるかもしれない。
それをしたのは、かの明治政府の文明開化だ。安倍晋三が「取り戻し」たい明治の思想と運動だ。この辺はちゃんと研究してないんで、あくまで妄想だよ。
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学生時代、後輩に超有名自民党議員の息子がいた。いまは彼自身が父の地盤を継いで議員になって、最近汚職でニュースになった。
学生時代彼らと恋バナをした時に、僕は「芸術や音楽や、測れる指標のない美しさに価値を見いだせる女性がいい、趣味が合わなくても価値の存在を認める女性がいい」って言ったんだ。そうしたら後の代議士夫人に、吐き捨てるように「くだらない、どうでもいい」って言われた。そんなことを思い出した。
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そのタイミングで、アメリカで中間選挙があった。僕がフォローしてるアメリカのミュージシャンたちは、トランプ政権にNOを突きつけようって声を挙げた。
トランプ共和党は下院は落として上院は勝った。価値観を擦り寄せるんじゃなくて従来の支持層が喜ぶゲスな戦術を取った。トランプはホテル王で金の亡者で、まるで僕の親戚みたいだ。僕の価値観から苦悩まで一直線に繋がった気がした。
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僕は音楽を愛してるのに才能がない。技量もない。だから、少なくとも技量のある人が小さい世界でくねくねしてることに、強いもどかしさがある。せっかくある技量を、測れる指標のない美しさに使ってみないか。音楽って果てしなく可能性があるよ。
日本のポップシーンでは、一部のインディーズとボーカロイドに最後の誠意と愛を感じる。CHAIは世界を向いてる。ボカロは新しい怪物をいまも量産してる。メジャーでは星野源さんが、俳優としてのネームバリューとは言え売れてることだろうか。
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アイドルでは最近amiinAのことばっかり考えてる (amiちゃん大学合格おめでとう) 。彼女たちの異様なまでの音楽性の高さと幅広さ、そしてメンバーのキャラとパフォーマンスと意識の高さには感銘してる。そしてamiinAには恋の歌が1曲もない。
CLOWさんの “みんな同じ恋の歌ばっか つまんない” へのリンクを張っておこう。これはdisじゃなくて、「特別になりたいけど何もない」自戒の歌だ。リンク先に歌詞が載ってるんで読みながら聴いて欲しい。そしてそれは僕の自戒でもある。
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SIDE-Bに続く。
11月9日 SIDE-B 楽しむ努力をしよう -Festival de FRUEの想い出-
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日記を。3日・4日と静岡県で開催されたFestival de FRUEに行ってきた。
運営の後手後手な対応は2日の日記にも書いた。運営は「11月でも半袖で大丈夫です」ってさんざん吹聴してきた。3日の掛川市の気温は18-14℃。運営に傘は使えますかって問い合わせた。運営は「使えますし晴れの特異日なんで降らないです」って応えた。4日の予報は雨だ。FUJI ROCKERなんで準備はしてたけどさ。
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運営の情報がないんで、会場の様子はハッシュタグの参加者の声がすべて。
会場のつま恋リゾートは170万m2もある巨大な施設だ。東京ドームは4.6万m2、桁が2つ違う。中では色んなイベントが開催されてる。職員さんもFRUEを知らない。入り口からFRUE会場まで看板で案内することはできなかったのか。みんなリゾートの中を放浪してた。運のいい人は片隅でやってることに気づいた。下の左の写真が入り口だ。看板はリゾートのもの、矢印はパーキングのもの、FRUEの文字はまったくない。
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右の写真は、世間的な知名度は全出演者で1番のceroの高城晶平さんのDJ中。伝説のウドーフェス並みだ。ビンの飲み物を売ったら危ない、といったレベルからフェスのいろはがわかってない。水回りや設備が観客に対しても出店者に対してもなってない。楽しむ努力をしよう。タイムラインで誰かが言った。FRUEを楽しむコツは「頑張ること」。
音楽のクオリティだけは恐ろしく高いんだ。運営は熱狂的なミュージックフリークで、それを現実に落とし込むことについては素人みたいだ。
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ここで思わぬ知らせが届いた。N氏と友人が急遽来てるという。乾杯してiLLy B’s Organism Sessionへ。特別な即興、スリリングだった。
そしてYEK、SIDE-Aにも書いた、トンバクとMacBookのデュオ。あまりにも巧みな演奏と、それをリアルタイムにサンプリングしたりエフェクトをかけたりするだけで、たまらなくグルーヴィーなミニマル・テクノになる。トンバクについてまるで知らないけど、片面だけの打面の叩き方と張力だけで音をコントロールする楽器に見えた。
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芝生の真ん中のDJブース、Grass Stageに移動して、寝そべりながらPowderのプレイを。日本人らしいキュートさとユーモアに溢れてた。
そして一番の波紋を呼んだポルトガルの大所帯バンドBruno Pernadas。ポップでありプログレッシブでありエキゾチックであり。みんな色んな喩えを探してた。お洒落な渋さ知らズ、Frank Zappa、San Ra、Soft Machine、Caravan、Gong、Stereolab...一番ピンときたのはStefan Stevensかな。いずれにしろ、これから世界に羽ばたくバンドだ。
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そしてSam Gendel。クワイエットなギタリスト。ベースとドラムスを従えての演奏。眠くなりそうなギターのドローンが気持ちいい。Bruno Pernadasからの流れは、カンタベリーのあっちの端とこっちの端を並べた感じ。
最後は目玉のTheo Parrish、4時間半にも渡るDJプレイ。ハウスを中心に、さすがの集中力で、いつの間にか7割は埋まったフロアを湧き立てた。これ、最後まで観たらタクシーなくすと踏んで早めに退散した。猛烈に寒かった。
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4日。ホテルのシャンプーとリンスがギシギシで、アフロになりながらの起床。目覚ましセットし忘れてホテルの朝食に間に合わなかった。猫に会いたい...。
会場を把握したんで椅子は置いて向かった。靴もスニーカーでよかったな。Grass Stageは暑からず寒からず、芝生の上を風が通り抜けて気持ちいい。そしてイケてるミュージックとヒューガルデン。Acid PauliのDJプレイはアイデアと遊び心に溢れて非常に快適だった。パクるつもりなので詳述は避ける。...予報通り雨が降ってきた。
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メインステージに戻ってLee Lang。韓国の意欲的なシンガーソングライター。本人のアコギとチェロを従えたステージ。日本語が堪能で、「ほかの出演者はみんなインストゥルメンタルなのに、なんでボーカリストの私が呼ばれたんでしょう。わからないです、誰か教えて」なんて飄々と笑わせた。
でも演奏になると凛と引き締まる。伸びやかな歌声とコブシが気持ちよかった。歌詞の世界は重く辛辣だと聞いた。
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U-zhaanはサーランギー奏者を従えて、古典インド音楽を奏でた。ポップやアヴァンギャルドな彼も好きだけど、これ聴きたかった。タブラの果てしない表現力とグルーヴに撃ち抜かれた。リズムと音色 (おんしょく) の音楽だ。インドでテクノが流行るわけだ。
ベンガル地方に伝わるクリケットで4点入った時の曲ですとか、映画に誘ったのに食べすぎて出られない友達を叱る曲ですとか、ほんとか嘘かわからないMCも楽しい。
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そして僕的なベストアクト、Yamandu Costa。ブラジルの7弦ギタリスト。
圧倒的な技巧と熱量、だけじゃない豊かな歌心と表情に溢れたギターだ。泣きそうによかった。スキャットしたり口笛吹いたり、それは喩えるならGlenn Gouldが歌っちゃうような、演奏の歌心が溢れ出たものだ。あくまでインストゥルメンタル。細野さんの「歌詞は大切なんです、でも歌詞の意味は大切じゃない」って言葉を思い出した。
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最後にまたジャムセッションが控えてたけど、混雑を予想してN氏たちと掛川市まで移動。ホテルでばいばい。日曜夜のタイムラインはみんながいろんなライブに行って、音楽の喜びを持ち寄ってる感じが好き。
Festival de FRUEいろいろ思うところ言いたいことあるよ。あるけど来てよかったし、来年もあれば行くし、クラウドファンディングやるなら投資する。
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5日。快適な目覚め。後は帰京するだけ。9時前にチェックアウトを済ませて、なんと2軒隣に有名な静岡のハンバーグチェーンさわやかがあったんだけど、11時開店だって。2時間待つよりも早く猫に会いたかったんで、次の機会のお楽しみに。
ホテルからドア to ドアで3時間かからなかったな。留守番にしてた猫たちが甘えてきた。ちゅ〜るをやった。
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6日。用事を終えて田中ミズホ@東新宿真昼の月夜の太陽へ。
出演者に嬉しいハコと観客に嬉しいハコって違うよね。真昼の月夜の太陽は、ミュージシャンには愛されてるみたい。でも平日に18:00開場 / 18:20開演で6組ぶっこむブッキングは観客には辛い。田中は1組目。雨でバスが遅れて特急に乗り損なって、間に合わなかった。そもそも6組も観るのは集中力が持たない。
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SIDE-Aに書いた通り、田中のステージは堪能した。アイデアに溢れ、笑いに溢れ、誠実なソウル (魂) に溢れていた。ほんと久しぶりで田中ロスを起こしてたんだ。
対バンについてもSIDE-Aに書いた通り、当たり外れがあった。FESTIVAL de FRUEで音楽の可能性を確信して、ポップスに限ってもPaul McCartneyがBeatlesの7年間でどれだけ世界を広げたか、つまり今の僕の耳には視野の狭い音楽家は用がないのだ。
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特に素晴らしかったのは山口土下座さん、飄々とした佇まいと、優しく温かくも雄々しい演奏が染みた。高田渡さんやはっぴいえんどやURC周辺がお好きだそうだ。渡さんのライブは、MCと曲の区別があんまりなかった。愚痴をこぼしながら爪弾くギターが超絶かっこよくて、そのまま曲になだれ込んでいった。
お名前を失念してしまったけど、2組目、3組目も楽しく拝見した。
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7日。チャイともにょもにょ世間話。メイはいびきかいてる。疲れが溜まって出かける前から帰りたい。FRUEフェスから帰ってきてから開いた荷物の整理をまだぜんぜんしてない。っていうのも焦りの元凶のひとつ。
SIDE-Aに書いた音楽観の話を、美人女子大生カウンセラーさんに思い切りぶつけた。たとえ話に笑ってもらえた。カウンセリングをあんまり重たい時間にしたくない。
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夜はThe Sea And Cake@Billboard Live Tokyoへ。前から2列目の席。ここアサヒビールがスポンサーになって、ヒューガルデンなくなっちゃったんだよね。
野宮真貴さんのライブの告知が流れた。彼女は永遠に渋谷系を自称して演じ続けるのかな。プレ渋谷系から渋谷系、リアルタイムで当事者はそう呼ばれることを嫌ってたことも含めて僕の青春で、その価値観から言うなればいつまでも渋谷系に固執するのは格好悪い。刹那の美だった。むしろPortable Rockやってくれないかな。
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新体制のSea And Cakeを観るのは初めて。3m先でJohn McEntireがドラム叩いてた。生音で聴こえた。タムをほとんど使わないで楽しそうにスネアを引っ叩いて、破けないか気が気じゃなかった。John McEntireとJim O'roukeが世界を引っ張ってた時代があったな。
ベースアンプからも3mで、リズム隊ばっかり聴こえた。サポートのベーシストがもたってるのが気になった。Sam PrekopとArcher Prewittは繊細な音を出す人々なんで、頭の中でバランス補正するのに数曲分かかった。
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“Afternoon Speaker” をold songって紹介したのにも驚いた。そうか、あれからずいぶん時間が経ったんだな。彼らの文化系で知的な佇まいはそのままだった。The Sea And Cakeって存在がひとつの発明で、そこから先の変化はあんまりない、良くも悪くも。それでも満足しました僕は。
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8日。疲労の蓄積がピークに。この日は支援センターでフィットネス教室、夜は鈴木慶一さんのライブの予定だった。どっちもキャンセルして布団にこもった。
運動して痩せたい気持ち、切実にある。それは健康的にも自尊心的にも。支援センターの方々は精神を病んだ者の扱いを心得てるんで、行けば居心地がよく、気持ちも少しは晴れただろうと思う。頭を使わない用事をこなして終わった。
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SIDE-Cに続く。
11月9日 SIDE-C 世界中の音楽を聴いたほうがいい by 小山田圭吾
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「ネアンデルタール人の暮らし、週単位で判明」。年輪みたいに日々コーティングされてく歯を念入りに解析することで、子育てや冬の過ごし方や鉛汚染に悩まされてたことがわかった。「古代インカ都市マチュピチュ、知られざる10の秘密」。
「夏の異常気象、2100年までに1.5倍に」。地球はあちいんだよ。気づいてないのは日本人だけ。まだ半袖半ズボンの外国人をたくさんみかける。電車は暖房が入ってる。
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「『体罰』を禁じることで若者の暴力性が劇的に減少することが88カ国40万人を調査した研究で示される」。
「『しつけ』と称して相手を叩くなどの罰を与える体罰に対する見方は厳しさを増しており、『体罰は単なる暴力である』」。「成長期にある子どもに体罰が加えられる環境があるかどうかによって、その国の若者の暴力性は一定の影響を受ける」。「体罰を受ける子どもは『自分は望まれない人間なんだ』と考えることや、体罰を受けた子は大人をまねて自分も体罰で『しつけ』をする連鎖が生じる」。僕はずいぶん体罰を受けて育った。
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これに似たことで、「苦手なことに積極的に取り組め」って教育思想がある。精神衛生上一番大切なことは、「苦手なことから逃げる」ことだ。
僕を含めて精神的に追い詰められてる人にかける言葉は「逃げろ、休め、人に頼れ」に尽きる。「頑張れ、挫けるな、死んだら負け」ではない。
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「『赤い』『青い』と言うのに、なぜ『緑い』と言わない?」。日本人の色彩観と言語について、目の覚める話。
デイリーポータルZの平成どうでもいい年表。あったね、そんなどうでもいいこと。
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書きたくないけど書かざるを得ない政治の話。生活そのものだからね。
「東京電力福島第一原発事故をめぐり、旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴された刑事裁判」。東電の幹部がいろいろすっとぼけてる。あれは人災だ。
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安田純平さんへのdisがまだ続いてるらしい。「戦地取材しない大メディアの尻を叩け」。「お上が行ってよいという場所、テーマしか取材しないのなら、それはもう報道機関とは言えない」。「安田純平さん : 外国人記者「自己責任論」に驚き 無事帰国なぜ批判」。
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「普天間移設 菅官房長官の発言 正確な事実踏まえ説明を」。基地問題の歴史と現状をわかりやすく書いてる。
「なぜ日本は、アメリカによる『核ミサイル配備』を拒否できないのか」。安倍晋三の祖父、岸信介が結んだ密約についての話。
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「外国人技能実習生が実態を訴え 時給300円で残業」。労働者じゃなくて技能実習生だからって名目で奴隷労働させる国になった。
「シャイロックにだってそりゃ無理だ」。「『外国人労働者の受け入れ枠は拡大するが、いわゆる移民政策は取らない』とする安倍首相の答弁が、『人間』でなく『労働力』だけを輸入する意図を物語ってしまっている事実は動かせない」。
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アメリカの中間選挙と民主主義の暗澹たる未来について、「モンスターは誰だ 映画監督、マイケル・ムーアさん」。
「みんな民主主義は永続的に続くかのように振る舞っていますが、そうではないのです。民主主義は紙切れに過ぎません。あなたたちの憲法であり、私たちの憲法であり、成立させてきた法律なのです。それを守れるかどうかは国民次第です」。
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音楽の話を。
Francis Laiが亡くなった。映画音楽の大作曲家で、Edith PiafやYves Montandへの楽曲提供も忘れられない。ジャズトランペッターRoy Hargroveが亡くなった。Herbie Hancock、D'Angelo、Erykah Badu、Nile Rodgersとのコラボも有名。まだ49歳だ。
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Steve Reichが30年ぶりに書いたオーケストラ向けの楽曲 “Music for Ensemble and Orchestra” のサンプル音源を公開した。Underworldが新曲 “Dexters Chalk” を公開した。The Good, The Bad & The Queenが新曲 “Gun To The Head” を公開した。Panda Bearが新曲 “Dolphin” を公開した。The Wombatsが新曲 “Oceans” を公開した。Rhyeがリミックス “Count to Five (Tensnake Remix) ” 、"Please (Jeff Samuel Remix) " 、”Feel Your Weight (Poolside Remix) ” を公開した。
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Aretha Franklinのライブ映画 “Amazing Grace” のトレーラー映像が公開された。Swinging London時代のドキュメンタリー映画 “マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!” のトレーラー映像が公開された。Astor Piazzollaのドキュメンタリー映画 “ピアソラ 永遠のリベルタンゴ” のトレーラー映像が公開された。Rufus Wainwrightが来日する。Courtney Barnettが来日する。「ジャカルタのガドガド売り」がイカス。
「韓国のBTS、民放出演見送り 『原爆Tシャツ』着用で」。賛否両論。ファンは原爆Tシャツは韓国開放の象徴だと言う。アメリカ人が原爆が戦争を終わらせたって言うのと同じだ。韓国にもアメリカにも原爆は落ちてはいけない。そしてそれは日本がアジアへの侵略戦争でどれほど酷いことをしたかとも関係がない。
追記 : 勘違いしてた。BTSは原爆のTシャツを着てMステに出ようとしたわけではないんですね。過去に着たことがあると。それで出演禁止は厳しいなあ。韓国の原爆観には厳罰を与えても、アメリカの原爆観にはなにも言えない日本と日本のメディアが情けない。日本が酷い侵略をしたのは韓国で、原爆を落としたのはアメリカだ。
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CHAIが新曲 “GREAT JOB” を公開した。泉まくらさんが新曲 “いのち feat. ラブリーサマーちゃん” を公開した。かねこきわのさんがデモCD “時はロマンス -録画してミルフィーユ編-“ をリリースした。ここで買える。きゃのんの音楽は、文学的でもあり映像的でもあり、唯一無二のなにかしら (なに!?) (たぶん言葉にできないきゃのんが持ち合わせているずれみたいなもの) を強く放って心に飛び込んでくる。みんな聴いた方がいい。石野卓球さんがVelvet Undergroundのカバー “What Goes On” を公開した。
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堀込高樹さんの読み応えあるインタビュー。折坂悠太さんとLee Langの興味深い対談。小山田圭吾さんの薄いインタビュー。「もっと世界中の音楽を聴いた方がいいと思います」って発言に苛立ちが見え隠れする。「のんのギタープレイに惚れこんだ近田春夫『ピート・タウンゼントばり』と絶賛」。のんちゃんが近田さんに書いた (逆ではない) “ゆっくり飛んでけ” のポエジーやばい。「日本のジャムセッションでモーダル以降の曲があまりコールされない不思議」。嶺川貴子さんの1996年の楽曲 “Fantastic Cat” が海外でルイヴィトンのCMに使われてる。この曲が入ってる "Roomic Cube" 再評価頼む。
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ジャニスにあったCDは個人に販売されてるのか。あれだけまとまったコレクション、どこかに資料として寄贈するなり売るなり出来なかったのかな。
音楽がフィジカルからDLやストリーミングに移行して、それにまつわる想い出も想い入れも消えた。人のCD棚を漁る楽しみも消えた。竹中直純さん「自分の興味にも他人の興味にも無頓着にならざるを得ないように仕向けられている気がする」。
11月14日 雨のエアポートはブルー、優しさはいつもブルー
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久しぶりに比較的短いスパンで日記が書けた。日記なんだから毎日書きなさいよ。書くことが溜まると読む方もしんどいはず。
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9日。ショートスリーパーは認知症になりやすいそうだ。この日はちゃんと寝たのは3時間半。理想としては毎日8時間寝たい。朝の雑務をこなしてなにか忘れてると思ったら、朝食を食べるのを忘れてた。もう来てるかも知れない、認知症。
タイムラインに金延幸子さんのライブに行かれた方を散見して羨ましい気持ち。”み空” は何回も聴いた。近作も聴いてみよう。
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10日。気温23℃の世界へ。あと2℃で夏日ですよ。刺すような陽射しが暑かった。楽しみなamiinA@新宿LOFTへ。楽しみじゃないライブにはそもそも行かない。
地下アイドルの殆どは楽曲的にもパフォーマンス的にも素人だ。素人が頑張る姿を応援するものだ。という意味でパンクスピリットと言えるかも知れない。それにしても大人たちはマイクの持ち方くらい教えてあげてもいいのではないか。
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amiinAは突出してて、地下アイドルの括りのイベントにはもったいない。ほんとはワンマンを観たい。ブレークはもうすぐだ。最初にamiinAを知ったのは鈴木慶一さんのライブイベントだった。そういう場こそがふさわしい。
慶一さんは、10代の頃から僕の音楽の指標だった。インタビュー記事やラジオでかけた曲をメモしてレコード屋に走った。インターネットも携帯電話もない時代。
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amiinAは楽曲のクオリティも柔軟性も、もうとんでもない地平にいる。2人も大人にやらされてるわけじゃない、amiinAというプロジェクトに納得してステージに立ってる。だからパフォーマンスのクオリティも、とんでもない地平にいる。ステージを降りた時の素朴なキャラクターもまたいい。来月にリリースされる2ndアルバムが、2018年の邦楽ベストになる可能性も充分にある。
で、何度も言ってるけど世界に出て欲しいよ。
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11日。ベースの日。エレクトリックリボンワンマン@渋谷GARRET udagawaへ。めずらしくアイドルさんのライブが続いた。ある意味エリボンの象徴だったぇっかが卒業して、1ヶ月以上の充電期間を置いてのライブだ。前の日のタイムライン、メンバーのみんなが緊張して眠れないってツイートしてた。
客入れがCHVRCHESでアガった。さてライブが始まって、1曲目は創設者のあすかさんが3年ぶりにエリボンに書いた新曲、”ワンダランディスコ” だ。
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ぇっかのいないエリボンは、新しい一歩を確かに踏み出していた。真面目な彼女たちのこと、考えて考えて練習して練習して、仕上げてくるだろうなって予想してたけど、それを遥かに上回る楽しいライブ、嬉しかった。アンコールも ”ワンダランディスコ” 、あすかさんが作ったエリボンを次に繋げる意志が伝わってきた。
この日は終演後、久しぶりにエリボンクラスタ=ボンクラさんたちと浴びるほど飲んだ。そうしたい気分だった。
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12日。Andy PartridgeがもういいってくらいYouTubeへのリンクを張るタイムライン。聴ききれないよ。現地時間で誕生日だからかまってほしいのかな。
もうひとつ、カリフォルニアで大きな山火事があって、たくさんのミュージシャンが自宅やスタジオを失った。Neil Youngは現地時間の12日が誕生日で、ほんとうにご愁傷さま。たくさんの名盤を生んだスタジオだった。
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映画「ボヘミアン・ラプソディ」みんな絶賛してる。QueenってバンドもFreddie Mercuryも、異物で異型の存在だった。観に行かなきゃ。どうせなら爆音がいい。
David Byrneの今回のワールドツアー最高で、香港、台湾まで来てるのに日本にはこない。日本人が音楽的に鎖国してること、世界中に知れ渡ってるんだなって思うよ。どこかのプロモーターさん、ぜひ呼んでください。
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夜はろみ feat. Lunacco@下北沢440へ。
どういういきさつでこんなユニットになったのか、わたしのねがいごと。ともLunaccoソロやテディードッグとも違ったミラクルがあった。漏れ伝わってくるリハ動画から、そうとうパワフルなステージが予想されたけど、それを遥かに上回ってた。
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演奏された曲は、主にLunaccoさんが提供したわたねがのナンバー。その合間合間にLunaccoさんの “朝のスープ” やろみさん作の “終電間際” 、”My Favorite Things” のカバーなんかがはさまる。
Lunaccoさんの生ピアノは力強くアイデアに満ちて、ろみさんのボーカルはそれにしっかり対峙して、曲が生まれるビッグバンの瞬間を時間差で観測してるみたいだった。圧倒された。”オリオン座” のよさを再認識した。
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対バンの番匠谷紗衣さんは、ザクザク切り裂くようなアコギに乗せてヒリヒリした感情を歌う。まだ10代で、メジャーデビューが決まって、地上波ゴールデンタイムドラマの主題歌になってるそうだ。
もうひとりの対バン林青空さんは、やっぱり若手ながら対象的にたおやかな佇まい。人懐っこい歌声とポップネスを感じた。その中でP.A.トラブルで、完全生音で演奏したバラードのメッセージ性が印象的だった。追ってみたいな。
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13日。サムサム。ネコネコ。猫も寒いみたいで足に肩に乗ってくる。重いな!! 猫がMacBookの上を歩き回ってシステムが立ち上がらなくなる夢を見てうなされた。それでも猫との暮らしは楽しい。
健康的な意味でも自尊心的な意味でもダイエットしなきゃなのだが、夜中にとんでもないデブ飯を食べちゃった。僕のデブは体質と薬の副作用が原因で、でも意志の弱さと意識の低さっていうのも確実にあるよな。
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14日。もう本格的に寒い。13日は家にこもって12日までは半ズボンでいたから、長くてサイズの合うジーンズを探すミッションから始まった。体重が30kgの振れ幅で変化してるんで、いろんなサイズのジーンズがあってえらいことだ。
猫たちが私の寵愛を受けようと争ってる ← 猫は女子受けするコンテンツ ← 私が女子に受けないのはなんでだ。
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紅白歌合戦の話題でもちきり。僕はテレビを持ってない。テレビを観せない家に育って、でもあまりにも友達ができないんで会話の糸口に、当時大人気だったドリフターズと、藤子不二雄作品や世界名作劇場、映画を観せて貰えるようになった。
一人暮らしを始めて狂ったようにテレビを観て、そのテレビが壊れたら自分の時間ができて、こっちの方が快適だと思った。いまTikTokを見てると「地上波にでたい」ってハッシュタグがある。あなたはTikTokで輝いてんじゃんって思う。
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美人女子大生カウンセラーさんと憩いの時間。壁をひとつひとつ自分の手で取り除こうっていう姿勢は、最初の頃にはなくてとてもいい傾向ですって言われた。女子大生に。amiちゃんが女子大生になる時代ですよ。
干した布団がお日様の匂いする。太陽から匂いが届くわけないんだけどさ。ダニの死んだ匂いっていう説もガセらしいよ。上弦の月が美しい。太陽系の惑星の中で、こんなに大きな衛星を持ってる星はほかにない。いい星に生まれた。
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「渋谷再開発で取り壊されるビルで。蜷川実花、SIDE CORE、杉本博司、ライアン・マッギンレーが参加するイベントが開催」。写真を中心に音楽やメディアアートのイベントがある。渋谷は実家の徒歩圏内なんで、再開発で変わっていく姿には思うとこある。
夜廻り猫のきのうの回は集会猫の話だった。彼が登場するたびに泣きそうになる。独りぼっちだった彼の言葉が、少しづつ伝わってく。
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「最古の動物壁画を発見、約4万年前、インドネシア」。牛とたくさんの手形が描かれていた。具象画の始まりだ。世界中に広がった文化の「糸」を辿ってるという。
なぜニッポンの若者は自殺するのかって記事が流れてきた。市場社会の中で成長ばっかり目指す社会は、多様性と成熟を奪ってきたんじゃないかって話。僕はレールを外れて、いまは自殺願望はないけど、醜い親戚たちに読ませてみたい気持ちはある。「自殺は『追いつめられた末の死』であり、『避けることのできる死』」。
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徴用工の人権を認めない政府の対応が問題になってる。「安倍首相が『徴用工でなく労働者』と言い換えを命じても強制労働の歴史は消せない」。「麻生家は、もともと炭鉱で巨大な財を築き上げた。1939-45年にかけて麻生鉱業へは少なくとも1万623人が連行された。麻生系の炭鉱では『朝鮮人地獄』と呼ばれるような光景が広がっていた」。
体質はいまも変わらない。「在ベトナム日本大使館員が告発 外国人実習生の悲惨な実態」。「実習生の失踪は年間7000人超。ベトナムは最多の12万人の技能実習生を日本に送り出しているが、現地の日本大使館の現役書記官までが『ベトナムの若者の人生をメチャクチャにしている』と警鐘を鳴らしている」。
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音楽の話をしよう。Rough TradeがALBUMS OF THE YEAR 2018を発表した。もうそういう季節になったか。
Pastem Magazineが14 Album Covers That Perfectly Capture The Album’s Soundを発表した。YouTubeが音楽ストリーミングサービスYouTube Musicを始めた。いろんなサービスがついたPremiumもある。動画についてもPremiumサービスを始めた。
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Regina Spektorが新曲 “Birdsong” を公開した。CHVRCHESがアコースティックEPをリリースする。The Japanese Houseが新曲 “Follow My Girl” を公開した。Buddy Hollyのボーカルトラックにロイヤル・フィルハーモニーの演奏を重ねたアルバムがリリースされる。”Raining In My Heart feat. Gregory Porter” が公開された。
Paddy McAloonの “I Trawl The Megahertz” がPrefab Sprout名義でリマスター再発される。Sufjan Stevensが1人のファンのために制作した楽曲を正式リリースする。
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Aphex Twinの “Flim (33RPM - 66% Speed) ” なる動画を発見した。僕が音楽に目覚めた頃はアナログだったから、回転数間違えてこういう曲だと思ってたシリーズがある。カセットテープに落とすときに針飛びして、斬新なアレンジだと思ってたシリーズも。ついでにCasimir Liberski Trioの “Flim (Live Band Cover) ” を。
David Bowieの語録から。「僕は『新しい』という概念に懐疑的だな。むしろ『置き換える』という考え方のほうが、僕には馴染みが有るね。なぜなら全てはあらかじめ存在しているのであって、新しい物など無いのだから。また、古いものも無い。結局僕たち人間がすでに知得してきた物を繰り返し置き換えているだけなんだ」。
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テナーサックス奏者の片山広明さんが亡くなった。RCサクセションは世代的にリアルタイムで体験してないけど、清志郎ソロの横に梅津さんといつもいらした。そしてなにより渋さ知らズでのご活躍。FUJI ROCKの想い出と共に片山さんの笑顔がある。その翌日 (今日) ジャズピアニストの佐山雅弘さんが亡くなった。今日付けのお別れの挨拶がある。2日連続でRCサクセションを支えた方が亡くなるとは。
Corneliusのワールドツアーのドキュメンタリー第2弾が公開された。360°ライヴ映像が公開された。石野卓球さんがDaniel Johnstonの “True Love Will Find You In The End” のカバーを公開した。Contrary Paradeがニューアルバムのトレーラーを公開した。崎山蒼志さんがファーストアルバムのトレーラーを公開した。
11月24日 ドバイのドバイばあちゃん
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睡眠障害の日々。寝たい時に寝て起きたい時に起きて、おおよそ寝たい。前回の日記を書いた14日あたりから風邪気味で、気温・気圧差と薬の眠気が入り乱れてる。
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15日は、支援センターのフィットネス教室のあとKLIMPEREIのライブに行く予定だった。フィットネス教室は深刻な運動不足にある僕にとって、生まれて初めて出会った居心地のいい運動の場であり、KLIMPEREIは長年のファンでありながら、一度も来日公演に行ってないのだ。翌日に控えてる2つの憂鬱な用事を思ってのダウンであった。
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16日。寒くて起きた。数日前に23℃まであがったのに6℃とかやめてー。逃げちゃおうかってくらい億劫な用事に意を決して出かけた。普段の生活からは遠く離れた街まで。偉いな。思ったより話はトントンと進んだ。
2つめの用事も無事こなしたものの、3つめの用事が発生した。社会はもっとシンプルに、人間はもっと優しく生きられないものか。みかんをひとつ。
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17日。サトウトモミさん主催「わたしのタッチが効かないの」@南青山Lunarへ。
トモミさんの故郷熊本の郷土料理だご汁と、トモミさんが最近はまっている玄米おにぎりを食べながら、素敵な音楽を聴こうじゃないのと。さらには10年後の自分に向けて手紙を書いて、タイムカプセルに入れようと。自分の未来にもこの国の未来にも希望を抱けない僕の手紙は、お祭りには似つかわしくないものになっちゃったな。
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最初に登場したmarronticさんは、ピエロのメイクをしてパントマイムのパフォーマンスを。そういう方かと思いきや、2曲目からギター弾き語り。その美意識や言葉のチョイスに清志郎さんを感じていたら、「僕らは薄着で笑っちゃう」ってフレーズがでてきた。RCサクセションが “Imagine” をカバーした時に出てきた印象的なフレーズで、元を辿ればRC版 “Imagine” とコード進行が似てる “窓の外は雪” ってオリジナル曲だ。
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次に登場した森山あこさんは、古き良き文学少女の佇まいから、幅広いテーマ、幅広い音楽性を感じさせる歌がひとつまたひとつ。視点が入れ替わる構成も面白い。鼻毛の気持ちを歌ったブルーズまである。
この方、飄々としてるようで、そうとう音楽聴いてるし、そうとう引き出し持ってるぞ。トモミさんとは大学時代、同じバンドでギターとベースの仲だったという。トモミさんもああみえて (どう見えて?) まったく油断ならないからな。
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トモミさんはいつもみたいにベースを抱えて歌う。やわらかなタッチはChuck Raineyのようでもあるね。
で、キュートな歌声から元気に飛び出す影の部分、そのギャップにまたやられてしまう。”あなたと目玉焼き” の楽しいコールアンドレスポンスもいいけど、”静かにループ” や “まるで魔法” がやっぱり圧倒的な名曲だなと思ってしまう。生活感がないだけに、その言葉にたどり着くまでにどんな人生を送ってきたのかと思う。
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18日。ふとスッパマイクロパンチョップさんのスッパバンド@八丁堀七針へ。
気温はさほど変わらないのに陽が落ちると急に寒くなる。自律神経失調症的に非常に辛い。東京に生まれ育って46年、初めて八丁堀という駅で降りた。Astrud GilbertoのBeatlesカバーとかDoorsカバーとか聴きながら開演を待った。体調が悪くて、対バンの演奏中は殆ど寝落ちてしまった。申し訳ない。風邪薬と酒の飲み合わせもあると思う。だってビール中瓶450円ですよ。いかんいかんと思いながら飲んじゃった。
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スッパバンド登場。スッパさんの演奏はあるブロックを歌うとテンポが変わりサウンドが変わり、テーマが変わり、それをどう組み合わせても楽曲として成立するような気がする。プログレの展開ともまた違う。パズルのピースがたまたまその順番に、おさまるべくしておさまってるのだ。
それを歌いこなすスッパさんももちろんすごいし、合わせてくるバンドメンバーのフレキシビリティもすごい。スッパさんがボカロシーンに強く惹きつけられたのもわかる気がする。イマジネーション引っ掻き回された。いいものを観た。
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19日は予定なし。猫のパーソナルスペースってどうなってるのか。顔近い近い。わしわしなでながらさり気なく距離を取る。
ところでデロンギを出したらつかない。冷たいままのデロンギにあたってた猫が、何かを悟ったように去っていった。問い合わせたら保証期間外だったけど、長年ご愛用頂いたお客様なので新品が40%OFFになった。
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もうそろそろ年賀状が視野に入ってきたな。めんどくさいアレが解決するかしないかで内容がずいぶんかわってくるんだ。それからいいかげんカセットデッキを買ったほうがいい。カセットのみのリリースで気になる音源が増えてきた。もちろんDLコードはついてるんだけど。せっかくだし。
寒い猫「だっこー」。猫をひざの上に乗せて身動きが取れないまま1日が終わった。ハーゲンダッツの白雪姫のリンゴというのはたいそう美しい。
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20日。所用をすませてGilbert O'Sullivan@Billboard Live Tokyoへ。
“Alone Again” という曲は、基礎教養として知ってた。大学の頃やすい中古ベストを買って聴いたら全曲 “Alone Again” 級にいい曲なのに驚いて、オリジナルアルバムを買って聴いたら以下同文、なぜ “Alone Again” だけが大ヒットしたのかぜんぜんわからない、現在にいたるまでコンスタントに名曲を書いてるんだよこの人は。
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新曲をリリースしてツアーをするためだけに存在する日本語「引っさげて」。僕もなにか引っさげたい。ライナスの毛布とか。会場に着いたら若いお客さんぜんぜんいなかった。こういうの聴けばいいのに。とはいえ先日のThe Sea And Cakeとは打って変わって大盛況、いるんである、熱心なファンが。
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ステージに現れた本人はVo./ E.P.、弾き語りかなとも思ったんだけどG.、B.、Key,、Dr.、Sax,、Cho×2の8人編成で登場。当然サウンドは厚く演奏も力強い。本人はそれにぜんぜん負けてない。現役感溢れるあの暖かい歌声で、軽妙にポップソングを歌う。で、ご機嫌で鍵盤によじ登っちゃう。ポップスの鏡だね。
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異様なコードワークから流れでる名曲アフター名曲。Paul McCartneyやJames Taylorがチャートを賑わせてるいま、くるのはGilbert O'Sullivanだよ!!
札幌から来て東京大阪のぜんぶのステージを観たという熱心なファンの方に伺ったら、セットリスト毎回変えてきてるという。ってことはこの大所帯バンドはレパートリーをマスターして、本国ではコンスタントにライブしてるんだな。
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21日。病院巡りのツアーへ。
隣のおばさんたちが「近頃の若い人は車を買わないでしょう、駐車場が余っちゃって値上げですって」「やーねー」って話をしてる。「近頃の若い人は結婚しないでしょう」「〇〇さんの息子さんなんて45で独身ですって」「まあ、30代ならばともかく、どうするつもりなのかしらねえ」って話をしてる。
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美人女子大生カウンセラーさんと憩いの時間。未来について。いまさらながら、生きるノウハウがなさすぎる問題とか。
将来に不安があるというより、現状維持以上の将来像を描けなくて、現状維持するにはどうしたもんですかねと。それは健康面でも経済面でも。重めの話になっちゃったな。時間ばかりすぎて歳ばかり重ねて、未来に夢や希望を描けないのだよ。だからこその現状維持だ。スウェーデンかタイに暮らしてみたい気持ちはある。
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あとは猫と幸せに暮らせることだ。恋愛なんてとてもとても。
なんてこと、帰る場所があるのに「孤独を愛する」自分を気取ってるあの人には、想像もつかないだろうな。「ラブソングがあればいい」なんてあの人にも想像がつかないだろうな。僕は音楽と漫画が好きで、でも音楽家や漫画家を過大評価してたなってことが立て続けに起きてる。もちろんこっちのイマジネーションを遥かに凌駕してくれる才能との出会いもたくさんある。
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N氏が遊びにきてくれた。エアコンのフィルター掃除や壊れた電気製品をみてくれた。結局は寿命だよねと。ついつい電気周り頼ってしまう。デロンギ買い替えたばっかりだけど、ハンドクリーナーももうだめだ。
ウィスキーを飲みながら、Bruno PernadasやAcid Pauliなんかを聴いた。N氏も最近忙しそうで、ゆっくり音楽の話をしたいな。
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22日 - 23日。気音のせいか気圧のせいか薬のせいか、眠みがたまらん。睡眠障害だ。1日20時間くらい寝て起きて0時で昼の0時か夜の0時かわからない。なんも成し遂げなかった。冬のハーゲンダッツを食べた。
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「画像はイメージです」の「車はカーです」感。
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大阪万博誘致より、大阪万博誘致にみんなが喜んでることが不思議でならない。財政難の大阪で、財政難のニッポンで、まだ高度経済成長期の夢を見ている20世紀少年たち。それはまだ150年前の明治維新に戻ろうとしてる人たちと同等に見える。
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国立西洋美術館で「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ-ピュリスムの時代」って展覧会が始まる。「『バベルの塔』など、驚きの古代モザイク画を発掘」。約1600年前のイスラエルのモザイク画が発見された。原美術館が2020年に建物の老朽化で閉館する。収蔵作品はもちろんだけど、建物にも趣があった。
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ティム・バートンの実写版「ダンボ」のトレーラー映像が公開された。いいじゃんいいじゃん。雑誌が潰れて彷徨ってたヤマザキマリさん、とり・みきさんの「プリニウス」が新潮に掲載されたあとWebサイトにも掲載されることになった。
とり・みきさんの「遠くへいきたい」今回も面白い。感性って火花みたいなもんで、このクオリティを維持してるとり先生どうなってるのか。
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「約150年間のクジラのストレス度、耳垢で解明」。1870年からデータがあるそうだ。捕鯨や戦争や温暖化がクジラのストレスになってることがわかった。「猫の舌、毛づくろいに唾液活かす仕組みを解明」。ブラシとして優れてるだけじゃなくて、猫アレルギーの軽減にもつかえるかもだって。
「20種以上の言語に対応したイヤホン型の双方向翻訳機の販売を開始」。まじかよ。これでスウェーデンかタイに住めるかな。
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「追い込まれる長期収容外国人...『帰るに帰れない人々』をどう捉えるか」。もう帰る場所がなくなってしまった方がたくさんいる。「追い詰められると帰るか死ぬかしかないという気持ちになってしまう。...入管がわざと追い詰めている」。
入管の人権無視が大きな問題になってる。その入管が問題にしてるのは、入管のやり方に反対するストリートアートだそうだ。ナチスの大使が「ゲルニカ」を前にしたピカソに、「これを作ったのはあなたですか」って聞いたら、ピカソは「いいえ、それはあなたです」って答えた。入管よ、それはあなたです。
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「技能実習生が国会に手紙『除染をさせられました』技能実習のやり直し求める」。「日本ではお金を稼ぎながら技術を学べるという期待が強かった。...日本は良い国。お金を稼ぎ、技術を学べる。ズイさんは日本に期待した。しかし、たどりついた先は除染労働だった」。日本の技能実習制度も大きな問題になってる。
安倍晋三は「外国人材は人間として受け入れる」と。外国人が「人間」であることに気がついた安倍晋三64歳。いつも想像の斜め上をいくなあ。
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「『桜田五輪相はシステムエラー』海外メディアが皮肉次々」サイバーセキュリティ基本法改正案を担当するのにパソコン使ったことないんだって。
「日本の原子力発電所にはUSBメモリーはありますか?」「基本的には使わない。USBジャック? 仮にあったとしても、それは、万全の対策をする」。USBジャックをハイジャックみたいなもんだと思ってたらしい。これは彼の恥であり、彼を任命した安倍晋三の恥であり、安倍晋三を信任し続ける我々の恥だ。
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麻生太郎が「税金で勉強した人 (公立大を出た人) 」を揶揄した。
小田嶋隆さん「『税金で勉強した人』とは、つまり、その人の勉強のために税金を費やすことを世間が認めた人物のことだ。厳しい試験をパスすることでそのポジションを得たその人たちを、自分の頭脳のために投資してくれる存在を両親以外に見つけることができなかった人物が非難するのは、恥ずかしい態度だと思う」。
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音楽の話を。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2018/11/16
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MOJO誌が2018年のベストアルバムTOP75を発表した。TIME誌が2018年のベストアルバムTOP10を発表した。Uncut誌が2018年のベストアルバムTOP75を発表した。今年はだいぶばらけた印象。僕の好みに合うのはMOJO誌だな。そのMOJO誌がライブオブザイヤーにDavid ByrneのAmerican Utopia World Tourを選んだ。僕が前から、観たいのに台湾・香港まで来て日本には来ないってブータレてたツアーだ。観たい!!
ロンドンの街をポップミュージックにちなんだ言葉で書いた地図。ユネスコがレゲエを無形文化遺産に含めるか検討してる。猫の鳴き声を生成するキャット・シンセサイザーが発売された。欲しい気もするけどうちには本物がいるからなあ。
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Kendrick Lamarがサントラ用の新曲 “The Mantra feat. Pharrell” を公開した。Bon Iverがサントラ用の新曲 “Do You Need Power? (Walk Out Music) ” を公開した。Norah JonesがJeff Tweedyとコラボした新曲 “Wintertime” を公開した。The Chemical Brothersがニューアルバムをリリースする。The Last Detailがニューアルバムを公開した。Jon Brionがフランス映画 “Le Grand Bain” の音楽を手がけた。サントラはここで買える。
Thundercatが “Friend Zone (Ross from Friends Remix) ” を公開した。Mary Lattiomoreが “It Feels Like Floating (Jonsi Healing Fields Remix) ” を公開した。そのJonsiが2000年代にやっていたエレクトロミュージックプロジェクトFrakkurの音源が発見されてリリースされる。”SFTLB2” 。Dirty Projectorsがフルセットライブ音源を公開した。ここでDLもできる。Blossom Dearieのクリスマスシングル “A Christmas Love Song” がリリースされた。タイムラインを流れてきたThelonious Monkの1966年のライブがかっこええ...。
Sparksのライブに“Weird Al” Yankovicが飛び入りしてアコーディオンを弾きまくったらしい。KRAFTWERKが来日する。Conner Youngbloodが来日する。
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細野晴臣さんが “薔薇と野獣 (new ver.) ” をリリースした。完全に今の音。カントリーやブギウギをやりつつ、コンテンポラリーな音楽から目を離さない。「いい音楽というのは裏の情報が豊かなんですよね。その音楽が生まれたバックボーンやルーツを、この年になるとより一層強く感じるようになる。自分のオリジナルなんてどうでもいいと思うほどに。だから古い曲をカバーするのが好きなんです。知ってもらいたいんです、こんなにいい曲があるんだよって」。ネット上で話題になっていた10代のミュージシャン、長谷川白紙さんがCDデビューする。めちゃくちゃかっこいい。
江口寿史さん監修・選曲・解説・ジャケットのMoonridersのオールタイムベストがリリースされる。The Beatniksの “EXITENTIALIST A XIE XIE” が、日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞した。Controversial Sparkの新年恒例ライブNEW YEAR SPARKに、キイチビール&ザ・ホーリーティッツ、・・・・・・・・・が出演する。・・・・・・・・・気になってた。はにわオールスターズが来年50周年ライブをする。
TENDOUJI × 片寄明人対談。プロデューサーを立てる意味やレコーディングの進め方がわかる良記事。「『ISS (宇宙ステーション) の歌』誕生! 矢野顕子さんに聞く-宇宙を『茶の間』に」。大瀧詠一さんの伝説のラジオ番組「ゴー・ゴー・ナイアガラ」のベストセレクションの放送が始まる。谷口マルタ正明さん「SSWを標榜する自作自演歌手のみなさん、SSWと呼ばれるのに違和感を持つ自作自演歌手のみなさん、Eric Andersenの歌を聞いてみませんか。僕の心の内のSSWは皆、孤独とちかしい。“Blue River”」。
11月28日 報告と連絡とどう違うのか相談してくる
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相変わらず睡眠障害でライブチケットを無駄にする日々。大金持ちでもないのに、CD買いすぎたりレコード買いすぎたりチケット取りすぎたりするのは寂しさの裏返し。自己破産は避けたいものだよ。
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24日。日本各地でたくさんの素敵なライブやイベントがあることは知ってる。敢えてのNegicco@中野サンプラザへ。
Negiccoちゃんたちにファンレターを送った人はいっぱいいるだろうけど、プロデューサーのConnieさんに送った人はレアではないか。
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Negiccoも中野サンプラザでワンマンするグループになった。Negiccoのライブで誰と隣になるか=誰とラインダンスを踊るかで、今回もおっさんに囲まれたことを報告しておく。Negiccoちゃんには女性ファンがたくさんいて、女性専用席があるんである。それはそれで健全なことだと思う。
Negiccoちゃんは新潟みんなの娘だから、ファン層が親戚の集まりみたい。赤ちゃんからお年寄りまでいて僕以外みんな仲がいい。
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この日も実力派の生バンドとのライブ。アイドルとバンドって文化も音楽観も違って難しいと思うんだけど、一流のプレイヤーが揃ってお互いをリスペクトして、魔法のような素晴らしい時間になった。
ツイッターのトレンドで1位になったんだよ。とんねるずの番組や大阪万博の話題を押しのけて。中野サンプラザってたかだかキャパ2000人くらいだよね。それだけの人が想いを綴ると国家的なプロジェクトを一瞬だけでも超えることがあるんだと。
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ところでNegiccoちゃんを好きになって、いわゆるネギライトを買ってずっと使わなかったの。この日使ってみたら、新曲なのにワンツーとかイェイとかワオとか振り方の決まりがあってこっちがワオだよ。次までに練習する。
客席には田島貴男さん、岩崎なおみさん、集まった花も日本のポップスの良心集みたいな顔ぶれ。久しぶりに一点の曇りもなく楽しかった。
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25日。新しいデロンギの前に猫2匹。ぐっすり寝た。
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水野谷みきさん渾身の企画「冷蔵庫の息の音」@新宿カールモールへ。
最初に登場したぎがもえかさんはポップスというよりクラシックの趣き。まっすぐで柔らかいハイトーンボイスで、往年のカレッジフォーク的な楽曲を奏でる。可愛らしく品のある音楽に感情を乗せていく。
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大河内大祐さんは声を自在に操って、詩的で映像的な楽曲に時に力強く時に優しく、喜怒哀楽を込めていく。とてもタフに感じた。
ハネダアカリさんは、心情吐露とも言える楽曲に、カラフルな声色で光と影を照らす。出演者3人に言えることは、縁次第では演劇をやっていた方々だろうなってこと。
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水野谷もかたや舞台俳優、かたやジャズドラマーの顔を持って、ソロでは歌を歌う。やっぱり言葉と声の人だ。すごくバランスの取れた、使い分けのできる表現者だ。去年リリースしたアルバムから “9月30日” のMVが公開された。
辛かったのは部屋がものすごーく熱くて、自立神経失調症的に汗だくになったこと。終演後に氷水を3杯頼んで外で体を冷やした。肉体的に酷く疲れて、体の表面は火照って芯は冷えてる状態、風邪をひいた。
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酒は好きだし強い方。だけど胸に手を当てて美味しい飲み物かと問われると難しくない? 楽しい飲み物ではあるけれど。人生で一番美味しい飲み物だと思ったのは、子供の頃駄菓子屋にあった甘ったるいジュースだ。蕎麦湯や水炊きの残りも捨てがたい。
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26日。寒くなると猫の甘えが一段とすごい。この日は小坂忠さん、次の日はFranz Ferdinand、2日続けて東京国際フォーラムの予定だった。どっちも行けなかった。
小坂忠さんは日本のソウルのパイオニアだけど、いまの動員力で国際フォーラムをいっぱいにするってことは、ティンパンファミリーが孫世代まで勢揃いして歌い継ぐ、「ラストワルツ」的なライブだってことだ。観たかった。
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タイムラインがやけに静かだと思ったら、みなさん観に行くか出演してたみたい。3時間20分の大熱演、口を揃えて「ラストワルツ」じゃなくて「ボヘミアン・ラプソディ」だったと。その喩えの違いがわからない。無念。
財布がどうしても見つからなくて冷蔵庫を開けてみることはあるけど、ほんとうに冷蔵庫に入ってたのは初めてだ。ひんやりきもちいい...。
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27日。中谷美紀さん国際結婚のニュース。メッセージの達筆ぶりが話題になった。「私こと」を小さな文字にするところ基本ができてる。
そんなわけでFranz Ferdinandに行けずに寝込んでた。Ah。
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28日。前夜にマルちゃん正麺を食べちゃったのに、空腹による頭痛で起床。ぼけっと猫をもんでた。澤部渡さんの顔が金銀にでっかくプリントされたシャツを着た。デブの偉人の威を借るデブの凡人。
美人女子大生カウンセラーさんと憩いの時間。先週のダメさ加減と、その原因と思われるトラウマを発見した。15日のKLIMPEREIに始まるライブ行けない現象は、病的な側面も大きいけど、役所に寄ってからライブに行こうとしたのが億劫だったんだ。
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子供の頃にそれなりに資産があった祖母が、金を右から左へ左から右へ、泡を掴んで残ったのは3億6千万の借金だった。借金ができる前から、そういう祖母を軽蔑してたところがある。そしていま、軽蔑してる親戚たちが同じことを繰り返してる。
子供の頃から僕は保証人として、何度も役所に印鑑証明を取りに行き、何度も実印を押させられた (子供でも親権者の同意があれば保証人になれる) 。それを果てしなくバカバカしくて卑しい行為だと思ってた。役所って場所が嫌いなんだ。カウンセリングのあと、懸案の役所雑務を終えてすっきりした。
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ベルナルド・ベルトルッチ監督が亡くなった。「ラストエンペラー」の時、いまの僕と同い年くらいだったのかな? ニコラス・ローグ監督も亡くなった。デヴィッド・ボウイやミック・ジャガーの映画を撮った。黒澤映画の「動き」を紹介した動画。
奈良美智さんが「原爆の図」を語った。きっかけは高畑勲監督の言葉だったそうだ。フェルメールの「牛乳を注ぐ女」を360度から鑑賞するシステムができた。
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こんな方を知らなかった。早くして亡くなった中野繁さんという生物学者が、アメリカの学会で「ヒーローズ」に選出された。記事をぜひとも読んで欲しい。火星探査機インサイトが着陸に成功した。
砂で地形を作ると等高線を投影する装置ができた。小学生の頃、自分で作った砂山を地図に起こしてた。家に帰って街や線路を書き足した。暗い子供。教えてあげたい。
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最近の起業家が語る時、アー写っぽいって話題。笑った。ろくろの時代は終わった。ペヤング専用ホットプレートができた。いわゆるカップ焼きそばって「焼いて」なかったじゃん。これはちゃんと焼く。
発達障害の情報アカウントが。一夜でフォロワーを何十倍にも増やしたのを、遥か遠くからうらやましく妬ましく眺めてる。発達障害当事者としては、そういうタイミングを見極めたり仲間を作れないのも症状のひとつだから。
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大阪万博の誘致に成功して50年前の夢を見てる人たちがはしゃいでる。ここまでネットが発達したいま、万博の価値はゼロだ。パリはそれを見据えて辞退して、誘致してた先進国は日本だけだった。日本を先進国と呼ぶならば。
小田嶋隆さん「招致の賛否を問う段階では反対派の意見も応分に紹介されていた。それが、招致が決定すると反対派の声は『なかったこと』にされる。一夜にして『もう決まったことなのだから一丸となって協力しよう』という空気ができあがる。東京五輪の時も同じだった。たぶん先の大戦でも同様の空気だったはず」。
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「入管法が通過 国会は責任放棄するな」。出入国管理法改正案がたった15時間の審議で衆議院で強行採決された。そのしわ寄せは国民や外国人の方々に向かう。「『法務省は真実語れ』外国人労働の実態に詳しい専門家苦言」。
牛久の入国管理局で、「長期収容回避求め ハンスト1週間以上」。「イランやスリランカ国籍の収容者約30人が長期収容の回避を求める申入書を提出し、20日朝からハンストを始めた。22日以降は約20人に減ったが、1週間を超えた今も続いている」。
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「ただの勘違いで女優の投稿炎上」。勘違いしたのは市川紗椰さんじゃなくてネトウヨ!! ブラスロックのパイオニアBlood Sweat & Tearsを紹介したら、韓国のBTSと勘違いしたネトウヨがはしゃいだ。みんないい音楽聴けよ。
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BBC Radio 6 Musicが「6 Music Recommends Albums Of The Year 2018」を発表した。インディ系レコードショップFoppが「best albums of 2018」を公開した。Paste Magazine誌が「The 50 Best Albums of 2018」を公開した。
Brian EnoとPeter Chilverが共同開発した音楽生成アプリBloomのニューバージョンがリリースされる。ティーザー動画がある。Rolandが映像と動画を同期させるアプリBeat Sync Makerをリリースした。Brian Wilsonが、暴力を受けたアフガニスタンの少女達と “Love & Mercy” を再録した。ColdplayとPharrell Williamsが、Los Unidades名義で新曲 “E-Lo feat. Jozzy” を公開した。
Queenの映画「ボヘミアン・ラプソディ」のヒットを受けて、細馬宏通さんが “We will rock you” の分析を再公開した。SuperorganismのOronoが日本人であることを毎回毎回見出しにする必要があるんだろうか。カズオ・イシグロは日本人だって言ってるみたいなもやもやを感じる。未成年ならまだ国籍を選んでないはず。
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遠藤賢司さんのMIDI時代の未発表音源がボックスセットで発売される。ジャズピアニストで作編曲家の前田憲男さんが亡くなった。SOUL SAMBA。冬のリヴィエラ。印象的なテレビのお仕事...。
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